入れ歯が合わないのはなぜ?よくある原因と改善できるポイント

入れ歯が合わないと感じる方へ

「入れ歯が痛くて食事が楽しめない」「会話中にずれてしまう」「見た目が気になって笑えない」・・・そんなお悩みを抱えていませんか?

入れ歯を使用されている方の多くが、一度は「合わない」という経験をされています。

せっかく作った入れ歯なのに、痛みや違和感があると、日常生活にも大きな影響が出てしまいますよね。

実は、入れ歯が合わなくなる原因は一つではありません。お口の中の変化、入れ歯そのものの劣化、噛み合わせの問題など、さまざまな要因が関係しています。

この記事では、30年以上にわたり入れ歯治療に携わってきた経験から、入れ歯が合わない主な原因と、それぞれの改善ポイントについて詳しく解説します。

入れ歯が合わないときに現れる症状

入れ歯が合わなくなると、さまざまな症状が現れます。

まず最も多いのが、**食べ物を噛むときの痛み**です。

入れ歯が適切にフィットしていないと、歯茎に過度な圧力がかかり、食事のたびに痛みを感じることがあります。特定の部分だけが強く当たっている場合、そこに傷ができて炎症を起こすこともあります。

味や温度を感じにくくなる

総入れ歯の場合、お口の広い範囲を覆うため、味覚や温度の感覚が鈍くなることがあります。

特に保険適用のプラスチック製入れ歯は厚みがあるため、食べ物の温度や味が粘膜まで十分に伝わりにくいのです。

これにより、食事の楽しみが損なわれてしまう方も少なくありません。

吐き気や違和感がある

入れ歯のベース部分が長すぎたり、下の入れ歯に余分な部分があったりすると、喉を刺激して吐き気を引き起こすことがあります。

また、噛み合わせが高すぎる場合も、気持ち悪さを感じることがあります。

このような症状は、入れ歯の調整によって改善できるケースがほとんどです。

外れやすい・ずれやすい

入れ歯が装着中に外れやすい、あるいは会話や食事中にずれてしまう・・・これは入れ歯の床の形状が歯茎に合っていないために起こります。

床と歯茎の間に隙間ができると、しっかりとフィットせず、安定感が失われてしまうのです。

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発音がしにくい

入れ歯が合わないと、発音にも影響が出ます。

特に「サ行」や「タ行」「ラ行」の発音が不明瞭になることが多く、会話に支障をきたすこともあります。入れ歯がずれることで口内で音が生じたり、言葉が不明瞭になったりする場合もあります。

入れ歯が合わなくなる主な原因

では、なぜ入れ歯は合わなくなってしまうのでしょうか?

主な原因は大きく分けて3つあります。

お口の中の変化

実は、お口の中は常に変化しています。

特に歯を失った部分の顎の骨は、刺激がなくなることで年々少しずつ痩せていきます。これを「骨吸収」といいます。また、歯茎も加齢とともに痩せていきます。

作った当初はぴったりと合っていた入れ歯も、お口という「土台」が変化することで、徐々に隙間ができてしまうのです。

高齢の方や糖尿病などの全身疾患をお持ちの方は、骨の新陳代謝のバランスが崩れやすく、骨が痩せるスピードが速くなることもあります。

入れ歯そのものの劣化

入れ歯は毎日使うものですから、時間とともに劣化していきます。

食べ物を噛むたびに、入れ歯の人工歯部分は少しずつすり減っています。短期間では気づかないレベルですが、長期間使用すると摩耗によるすり減りが大きくなり、噛み合わせの高さが変わってきます。

また、プラスチック製の入れ歯は、温度や湿度の影響を受けやすく、時間の経過とともに変形やひび割れが発生することもあります。

清掃不足による変形

入れ歯の清掃を怠ると、歯垢(プラーク)が付着し、やがてそれが歯石になります。

特に入れ歯の床部分(口腔粘膜と接する部分)に歯石がつくと、それが原因で入れ歯が変形し、合わなくなってしまうことがあります。

また、プラーク内の細菌が増殖すると、入れ歯の素材を変質させ、変形につながることもあるのです。

合わない入れ歯を使い続けるリスク

「まだ使えるからもったいない」「歯医者に行くのが面倒」・・・そんな理由で、合わない入れ歯を使い続けていませんか?

実は、これは非常に危険なことなのです。

歯茎に傷ができる

合わない入れ歯を使い続けると、歯茎に傷ができやすくなります。

傷ができると、そこから細菌が入り込み、炎症を起こす可能性があります。口内炎や潰瘍ができることもあり、痛みで食事が困難になることもあります。

頭痛や肩こりにつながる

噛み合わせが悪い入れ歯を使い続けると、顎の筋肉に過度な負担がかかります。

これが原因で、頭痛や肩こり、首の痛みなどの症状が現れることがあります。噛み合わせは全身のバランスに深く関わっているため、お口だけでなく、体全体に影響を及ぼすのです。

顎関節症の原因になる

合わない入れ歯による不適切な噛み合わせは、顎関節症の原因にもなります。

顎関節症になると、口を開けるときに痛みや音がしたり、口が大きく開かなくなったりします。一度顎関節症になると、治療に時間がかかることも多いため、早めの対処が重要です。

入れ歯が合わないときの対処法

入れ歯が合わないと感じたら、どのように対処すればよいのでしょうか?

ここでは、具体的な対処法をご紹介します。

入れ歯を清潔な状態にする

まず最初に行うべきことは、入れ歯を徹底的に清掃することです。

入れ歯専用のブラシや洗浄剤を使って、汚れや歯石をしっかりと落としましょう。ただし、強くゴシゴシ磨くと表面に傷がついたり、破損につながったりするので、丁寧に扱うことが大切です。

毎日の洗浄に加えて、定期的に入れ歯洗浄剤に一晩浸け置きすることで、浮き上がった汚れを効果的に除去できます。

義歯安定剤を一時的に使用する

入れ歯を清潔にしても違和感が続く場合、市販の義歯安定剤を一時的に使用するのも一つの方法です。

義歯安定剤には、テープタイプ、粉末タイプ、クリーム(ペースト)タイプがあります。

テープタイプは取り扱いが簡単ですが、頻繁に交換が必要です。粉末タイプは厚みがないのに吸着力が強いですが、長時間効果が続きません。クリームタイプは吸着力が強く、長時間効果が持続します。

ただし、これらはあくまで対症療法であり、根本的な解決にはなりません。

歯科医院を受診する

最も重要なのは、早めに歯科医院を受診することです。

入れ歯治療の経験が豊富である歯科医師が、お口の状態を詳しく診査し、適切な調整や修理を行います。調整や修理で対応できない場合は、新しい入れ歯を作り直すことも検討します。

くろさき歯科では、30年以上の経験を持つ歯科医師が、一人ひとりのお口に合わせた入れ歯治療を提供しています。

くろさき歯科の入れ歯治療の特徴

当院では、「痛くない・外れにくい・しっかり噛める入れ歯」を追求しています。

50種類以上の入れ歯から選べる

金属床義歯、ノンクラスプデンチャー、シリコン義歯、ミラクルデンチャーなど、50種類以上の入れ歯設計パターンの中から、あなたに最適な方法をご提案します。

素材・構造・噛み合わせを一人ひとりに最適化することで、「痛くない」「外れない」「よく噛める」入れ歯を実現しています。

治療用入れ歯で噛み合わせを整える

当院では、いきなり本入れ歯を作りません。

まずは「治療用入れ歯」で噛み合わせや口の筋肉バランスを整え、その後、本入れ歯を作製する2段階方式を採用しています。この工程を踏むことで、入れ歯安定剤に頼らずに済む、ぴったりフィットする入れ歯が完成します。

歯科医によるチーム医療

虫歯・歯周病・矯正・入れ歯のすべての分野に臨床経験の多い歯科医師が在籍しています。

歯を抜く前の診断から、残すための治療、噛み合わせまでをチームでサポートするため、他院に通うことなく、すべての治療を院内で完結できます。

熟練の技工士との連携

入れ歯の完成度は、技工士の技術に大きく左右されます。

当院では、20年来の信頼関係を築いた技工所と連携し、噛み合わせを重視した精密な入れ歯を製作しています。「装着してすぐになじむ」「食事中にズレない」と多くの患者さまから評価をいただいています。

全身の健康まで考えた入れ歯治療

噛み合わせは、全身のバランスに深く関わっています。

姿勢撮影で体のバランスを確認

当院では、治療前後に姿勢撮影を行い、入れ歯による体のバランス改善を「見える化」しています。

肩こりや腰痛、頭痛などの改善を実感される方も多くいらっしゃいます。噛み合わせが整うことで、体全体のバランスが改善されるのです。

管理栄養士・公認心理士・整体師との連携

国家資格を持つ管理栄養士・公認心理士・整体師がチームで連携し、「食べる・動く・眠る」をトータルで支えています。

お口の健康だけでなく、全身の健康づくりをサポートすることで、より快適な生活を送っていただけます。

カウンセラーによるサポート

治療中の不安や疑問点は、カウンセラーがサポートいたします。

初めての入れ歯でも安心して治療を進めていただけるよう、一人ひとりのペースに合わせて丁寧にご説明します。

まとめ

入れ歯が合わない原因は、お口の中の変化、入れ歯の劣化、清掃不足など、さまざまな要因が関係しています。

合わない入れ歯を使い続けると、歯茎に傷ができたり、頭痛や肩こりにつながったり、顎関節症の原因になったりするリスクがあります。

入れ歯が合わないと感じたら、まずは入れ歯を清潔にし、それでも改善しない場合は早めに歯科医院を受診することが大切です。

くろさき歯科では、30年以上の経験を持つ歯科医師が、一人ひとりのお口に合わせた入れ歯治療を提供しています。50種類以上の入れ歯設計パターンの中から最適な方法を選び、治療用入れ歯で噛み合わせを整えてから本入れ歯を作製する2段階方式を採用しています。

入れ歯は「噛むための道具」ではなく、「人生を楽しむための一部」です。

痛みがなく、見た目も自然で、しっかり噛める入れ歯で、もう一度おいしく食べられる、笑顔になれる毎日を取り戻しませんか?

入れ歯でお悩みの方は、ぜひ一度くろさき歯科にご相談ください。あなたにぴったり合う「世界でひとつの入れ歯」をお作りします。

院長・監修医師

黒崎 俊一(kurosaki syunichi)

歯学博士/日本補綴歯科学会「専門医」

経歴・資格

  • 1987年(昭和62年) 日本大学歯学部 卒業

  • 1992年(平成4年) 日本大学大学院 歯学部 補綴専攻 修了・歯学博士取得

  • 1996年(平成8年) くろさき歯科 開院(当院開業)

  • 日本補綴歯科学会認定「専門医」/日本歯科審美学会会員/日本矯正歯科学会会員

  • 日本大学歯学部 兼任講師として教育にも従事