もう噛めないと諦めないで!部分入れ歯で快適に食べられる理由と実践法

部分入れ歯で「噛めない」と感じる理由
部分入れ歯を使い始めた方の多くが、「痛い」「噛みにくい」「好きな物を食べられない」といった悩みを抱えます。しかし、この“噛めない”という状態には必ず理由があります。
入れ歯が歯ぐきに合っていない
入れ歯が歯ぐきの形に正しくフィットしていない場合、噛むたびに歯ぐきへ負担がかかり、痛みやズレが生じます。口の中は非常に繊細なため、わずかな段差でも大きな違和感につながります。
噛む力が弱くなっている
部分入れ歯は歯ぐきの上に乗る構造のため、天然歯のように骨に直接支える力がありません。そのため噛む力が弱くなり、硬いものや繊維質の食べ物を噛みにくくなります。
入れ歯と歯ぐきの間に食べ物が挟まる
隙間があると食事中に小さな食べ物(ゴマ・肉片・餅など)が挟まって痛みの原因になります。特に粘着性のある食べ物は挟まりやすく、ストレスにつながります。
快適に噛める入れ歯を実現する方法
“噛めない”状態は適切な治療・調整で大きく改善できます。ここでは快適に食べられる入れ歯づくりのポイントを紹介します。
治療用入れ歯で噛み合わせを整える
いきなり本入れ歯を作るのではなく、まず治療用入れ歯で噛み合わせや筋肉のバランスを整えると、お口の機能が回復します。準備段階を経て本入れ歯を作ることで、安定性が高くフィット感の良い入れ歯になります。
精密な調整が必要
入れ歯は「作って終わり」ではありません。噛む力・口の動き・生活習慣は人それぞれ異なるため、細かな調整を行うことで初めて“よく噛める入れ歯”が完成します。
50種類以上の入れ歯から選ぶ
素材や構造が異なる多様な入れ歯の中から、お口に合うものを選ぶことが重要です。
- 金属床義歯:薄くて丈夫
- ノンクラスプデンチャー:自然で目立たない
- シリコン義歯:痛みの軽減に有効
一人ひとりに合った設計を選ぶことで、噛みやすさが大幅に向上します。
部分入れ歯での食事を快適にする実践法
日々の食事の工夫でも、入れ歯の使いやすさは変わります。
最初は柔らかい食べ物から慣らす

新しい入れ歯は慣れるまで時間がかかることがあります。豆腐・煮魚・茶碗蒸しなど、柔らかいものから試し、徐々に硬い食べ物にステップアップしましょう。
左右の奥歯を均等に使う
片側だけで噛む癖がつくと入れ歯がずれたり、顎のバランスが崩れる原因になります。食事の際は左右の奥歯をバランスよく使うことが大切です。
調理方法を工夫する
硬い食材は薄く切る・煮込むなど柔らかくすることで噛みやすくなります。野菜は繊維を断つ方向に切ることで食べやすくなります。
食材は細かくする
食材を細かくするだけでも噛む負担が軽減され、入れ歯でも食べやすくなります。
入れ歯安定剤の適切な使用
安定剤は一時的にズレやすさを改善できますが、あくまで補助的なものです。使いすぎると汚れが残りやすくなるため、使用前には相談することを推奨します。
入れ歯のメンテナンスと調整の重要性
入れ歯は、常に口の形や歯ぐきの変化に合わせて調整が必要です。
日々のお手入れ
専用ブラシで流水洗浄し、洗面器の水の上で洗うと落下破損の予防になります。
歯磨き粉は研磨剤による傷の原因になるため使用を避けましょう。
定期的な調整
合わない入れ歯を我慢して使うと、痛み・ズレ・噛めない原因になります。症状が出たら早めに調整が必要です。修理やリフォームにも対応できます。
残っている歯の健康管理
部分入れ歯は支えの歯に負担がかかるため、残存歯を守るケアが欠かせません。歯周病や虫歯の治療を適切に行うことで、入れ歯の安定性も向上します。
噛み合わせが全身の健康に与える影響
姿勢と体のバランス

噛み合わせの不調は顎の位置を変化させ、首・肩・背骨のバランスに影響します。入れ歯で噛み合わせが整うことで、姿勢が改善する方もいます。
認知症予防
噛む刺激は脳にとって重要で、認知機能維持にも関係しています。しっかり噛めることは健康寿命を伸ばす要素として注目されています。
栄養面の改善
噛みにくさがあると食事の選択肢が狭まり、栄養不足につながることがあります。快適な入れ歯は消化・吸収を助け、健康全体に良い影響を与えます。
まとめ:諦めなくても、また“食べられる”ようになります
部分入れ歯でも、正しい調整と選択を行えば 「痛くない」「外れない」「よく噛める」 入れ歯を実現できます。
- 精密な調整
- 噛み合わせの改善
- あなたに合った種類の選択
- 食事の工夫
- こまめなメンテナンス
これらを組み合わせることで、生活の質が見違えるほど向上します。
噛めなくて諦めていた食べ物も、再び楽しめる可能性があります。
あなたに合った入れ歯で、もう一度「おいしい毎日」を取り戻しましょう。
院長・監修医師
黒崎 俊一(kurosaki syunichi)

歯学博士/日本補綴歯科学会「専門医」
経歴・資格
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1987年(昭和62年) 日本大学歯学部 卒業
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1992年(平成4年) 日本大学大学院 歯学部 補綴専攻 修了・歯学博士取得
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1996年(平成8年) くろさき歯科 開院(当院開業)
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日本補綴歯科学会認定「専門医」/日本歯科審美学会会員/日本矯正歯科学会会員
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日本大学歯学部 兼任講師として教育にも従事
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