【2025年最新】入れ歯の種類と選び方〜専門医が教える失敗しない選択法

  • ホーム
  • ブログ
  • 【2025年最新】入れ歯の種類と選び方〜専門医が教える失敗しない選択法

入れ歯の基礎知識〜選ぶ前に知っておきたいこと

入れ歯は失った歯の機能を回復するための大切な治療法です。しかし、多くの患者さんが「入れ歯は痛い」「すぐ外れる」といったイメージを持っています。

実は、入れ歯の世界は近年大きく進化しており、適切な種類を選べば快適に使用できるのです。私が日本補綴学会認定専門医として80年の治療実績から言えるのは、入れ歯選びは人生の質を大きく左右するということ。

入れ歯には大きく分けて「総入れ歯」と「部分入れ歯」があります。総入れ歯は全ての歯を失った場合に使用し、部分入れ歯は一部の歯が残っている場合に使います。

それぞれにさまざまな種類があり、素材や構造によって特徴が異なるのです。適切な入れ歯を選ぶには、自分の口腔内の状態はもちろん、生活スタイルや予算も考慮する必要があります。

入れ歯の種類と特徴〜あなたに合った選択をするために

入れ歯には様々な種類があります。それぞれの特徴を知ることで、あなたに最適な入れ歯を見つけることができるでしょう。

まずは基本となる保険適用の入れ歯と、自費診療の入れ歯の違いから見ていきましょう。保険適用の入れ歯は費用を抑えられる一方、素材や設計に制約があります。自費診療の入れ歯は見た目や機能性に優れていますが、費用は高くなります。

総入れ歯の種類と特徴

総入れ歯は、上顎または下顎の歯をすべて失った場合に使用します。保険適用の総入れ歯は、プラスチック(レジン)製が一般的です。

最近では吸着力を高める工夫や、シリコン素材を使用することで装着感を改善した総入れ歯も登場しています。特に下顎の総入れ歯は安定させるのが難しいため、専門的な技術が必要です。

自費診療では、金属床を使った総入れ歯も選択できます。金属床は薄く作れるため違和感が少なく、熱も伝わりやすいので食事の際に温度を感じやすいというメリットがあります。

どんな総入れ歯を選ぶにしても、歯科医師の技術と経験が非常に重要です。特に噛み合わせの調整は、入れ歯の快適さを左右する重要なポイントになります。

部分入れ歯の種類と特徴

部分入れ歯は残っている歯を利用して固定します。保険適用の部分入れ歯では、金属のバネ(クラスプ)で固定するタイプが一般的です。

しかし、このバネが見えることで審美性に問題があったり、バネをかける歯に負担がかかったりするというデメリットもあります。

自費診療では、金属のバネを使わないノンクラスプデンチャーという選択肢もあります。見た目が自然で、金属アレルギーの心配もありません。人前で話す機会が多い方に人気です。

また、コーヌス・テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)は、残っている歯に金属冠をかぶせ、その上に入れ歯をはめ込む仕組みです。高い安定感があり、長期的に使いやすいとされています。

ミラクルデンチャーは特殊な構造で強い固定力を持ちながら、装着感が軽いのが特徴です。外れにくい入れ歯を求める方に適しています。

入れ歯の素材と金属アレルギー対応〜安全性を考える

入れ歯の素材選びは、快適さだけでなく安全性の面でも重要です。特に金属アレルギーをお持ちの方は、素材選択に注意が必要です。

従来の入れ歯では、クラスプ(バネ)やフレームに金属を使用することが一般的でした。しかし、金属アレルギーの方にとっては、口腔内のトラブルを引き起こす原因になることがあります。

金属アレルギー対応の入れ歯素材

金属アレルギーの方向けに、様々な非金属素材が開発されています。ナイロン系のバルプラストは、弾力性が高く破折に強い素材です。クラスプがないので審美性に優れ、金属アレルギーの心配もありません。

また、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)という素材も注目されています。軽量で強度が高く、金属アレルギーの方でも安心して使用できます。

これらの素材は従来の金属床と比べると若干柔軟性があるため、装着感も良好です。ただし、素材によっては強度や耐久性に差があるため、生活スタイルや噛む力に合わせて選ぶ必要があります。

金属アレルギーが心配な方は、歯科医院での金属アレルギー検査を受けることをおすすめします。アレルギーの種類や程度によって、最適な素材選びができるでしょう。

入れ歯が合わない原因と対処法〜痛みや違和感を解消するために

「入れ歯が痛い」「外れやすい」といったトラブルには、いくつかの原因があります。これらの問題を理解し、適切に対処することで、入れ歯の快適さを大きく向上させることができます。

入れ歯が合わない主な原因として、顎の形や歯ぐきの状態に合わせて作られていない場合や、噛み合わせの調整が不十分な場合が挙げられます。また、長期間使用による歯ぐきの変化や入れ歯の劣化・破損も原因となります。

痛みや違和感の解消法

入れ歯の痛みや違和感を解消するためには、まず専門医による適切な調整が必要です。特に新しい入れ歯を装着した直後は、歯ぐきに圧力がかかる部分を丁寧に調整することで、痛みを軽減できることが多いです。

また、入れ歯安定剤を一時的に使用することで、安定感を高めることもできます。ただし、安定剤はあくまで一時的な対処法であり、根本的な解決には入れ歯自体の調整や作り直しが必要な場合もあります。

長期間使用している入れ歯の場合、歯ぐきの形状変化により合わなくなることがあります。このような場合は、入れ歯の内側に裏打ちをする「リベース」という処置で対応できることもあります。

入れ歯の寿命と交換時期

入れ歯にも寿命があります。一般的に5〜7年程度で交換が必要になることが多いですが、使用状況や手入れ方法によって異なります。

入れ歯が合わなくなってきた、噛みにくくなった、見た目が悪くなったなどの症状があれば、専門医に相談しましょう。放置すると顎の骨の吸収が進んだり、残っている歯に負担がかかったりするため注意が必要です。

定期的なメンテナンスを受けることで、入れ歯の寿命を延ばし、快適に使用し続けることができます。半年に一度は歯科医院でチェックを受けることをおすすめします。

入れ歯のお手入れ方法〜長く快適に使うために

入れ歯を長く快適に使うためには、適切なお手入れが欠かせません。毎日のケアを怠ると、汚れの蓄積や細菌の繁殖により、口臭や歯ぐきの炎症、さらには入れ歯自体の劣化を招く恐れがあります。

基本的な入れ歯のお手入れ方法をご紹介します。まず、食後は入れ歯を外して水で軽くすすぎ、食べかすを落としましょう。その後、入れ歯専用ブラシを使って、入れ歯全体を丁寧に磨きます。

入れ歯洗浄剤の選び方と使い方

入れ歯洗浄剤には、「部分入れ歯用」と「総入れ歯用」があります。部分入れ歯には金属部分があることが多いため、金属に影響を与えない洗浄剤を選ぶことが重要です。

洗浄剤の主な効果としては、除菌効果、脱臭効果、漂白効果、汚れ分解効果、歯石予防効果などがあります。目的に応じて適切な洗浄剤を選びましょう。

使用方法は製品によって異なりますが、一般的には洗浄液に入れ歯を浸し、指定の時間(通常5〜30分程度)置いた後、水でよくすすぐという手順です。ただし、メーカーの指示に従うことが大切です。

入れ歯の保管方法と注意点

入れ歯を使用していないときは、乾燥を防ぐために水または専用の洗浄液に浸して保管します。乾燥させると変形の原因になるため注意が必要です。

また、熱湯での消毒は入れ歯の変形を招く恐れがあるため避けましょう。入れ歯を扱う際は、落として破損しないよう、洗面台に水を張るなどの工夫も有効です。

定期的に歯科医院でプロフェッショナルクリーニングを受けることも重要です。歯科医院では、自宅では落としきれない汚れや歯石を除去し、入れ歯の状態をチェックしてもらえます。

入れ歯とインプラントの比較〜あなたに最適な選択は?

入れ歯とインプラント、どちらが自分に合っているのか迷われる方も多いでしょう。それぞれの特徴を比較し、メリット・デメリットを理解することで、より適切な選択ができます。

インプラントは人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。一方、入れ歯は取り外しが可能な人工歯です。両者には大きな違いがあります。

メリット・デメリットの比較

インプラントの最大のメリットは、自分の歯に近い感覚で噛めることです。固定されているため安定性が高く、発音にも影響が少ないです。また、周囲の健康な歯を削る必要がないため、残存歯への負担が少ないという利点もあります。

一方、デメリットとしては、外科手術が必要なこと、治療期間が長いこと、費用が高額になることが挙げられます。また、顎の骨の状態によっては施術が難しい場合もあります。

入れ歯のメリットは、インプラントと比較して治療期間が短いこと、取り外しができるので清掃しやすいこと、費用が比較的抑えられることです。特に保険診療を選択すれば、経済的な負担は大幅に軽減されます。

デメリットとしては、取り外しの手間があること、装着感や違和感があること、経年変化により調整や作り直しが必要になることなどが挙げられます。

どちらを選ぶべきか?判断のポイント

どちらを選ぶかは、口腔内の状態、年齢、全身の健康状態、生活スタイル、予算など、様々な要素を考慮して判断する必要があります。

例えば、全身疾患がなく、顎の骨の状態が良好で、長期的な視点で考えるなら、インプラントが適している場合があります。一方、高齢の方や全身疾患をお持ちの方、手術に不安がある方には、入れ歯の方が適している場合もあります。

また、両者を組み合わせる治療法もあります。インプラントを支えとして入れ歯を固定する「インプラントオーバーデンチャー」は、通常の入れ歯よりも安定性が高く、インプラントだけの治療よりも費用を抑えられるという利点があります。

最終的には、歯科医師との十分な相談の上で、自分に最適な治療法を選択することが大切です。

入れ歯専門医が教える失敗しない歯科医院の選び方

入れ歯治療の成功は、歯科医院選びから始まります。どんなに高品質な入れ歯でも、適切な診断や調整がなければ、快適に使用することはできません。では、信頼できる歯科医院をどのように選べばよいのでしょうか。

私が日本補綴学会認定専門医として80年の治療実績から言える、失敗しない歯科医院の選び方をご紹介します。

専門性と経験を見極めるポイント

まず重要なのは、入れ歯治療に関する専門性と経験です。日本補綴学会の認定専門医や指導医の資格を持つ歯科医師がいる医院は、高度な知識と技術を持っていると考えられます。

また、入れ歯専門の歯科技工士と連携している医院も信頼できるポイントです。入れ歯は歯科医師の診断と歯科技工士の技術の両方が重要だからです。

初回相談の際に、十分な時間をかけて丁寧に説明してくれるかどうかも重要です。入れ歯治療は患者さん一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイドの治療であり、十分な説明と理解が必要です。

治療プロセスと費用の透明性

信頼できる歯科医院は、治療プロセスと費用について明確に説明してくれます。入れ歯治療は複数の段階があり、それぞれの段階での費用や期間を事前に知ることが大切です。

また、保険診療と自費診療の違いや、それぞれのメリット・デメリットについても説明してくれるかどうかも重要なポイントです。

さらに、アフターケアの体制も確認しましょう。入れ歯は装着後の調整が非常に重要であり、定期的なメンテナンスやトラブル時の対応が充実している医院を選ぶことが望ましいです。

最後に、患者さんの声を聞くことも大切です。実際に治療を受けた方の評判や口コミは、医院選びの参考になります。ただし、個人差もあるため、複数の意見を参考にすることをおすすめします。

まとめ〜あなたに合った入れ歯で快適な生活を

入れ歯は「どこで作っても同じ」ではありません。診断から製作、調整まで丁寧に行うことで、噛み心地や見た目の自然さは大きく変わります。

入れ歯の種類や素材は多岐にわたり、それぞれに特徴があります。自分の口腔内の状態、生活スタイル、予算などを考慮して、最適な入れ歯を選ぶことが大切です。

金属アレルギーをお持ちの方は、非金属素材の入れ歯を検討することで、安全に使用することができます。また、入れ歯が合わない場合は、適切な調整や対処法で改善できることが多いです。

入れ歯を長く快適に使うためには、適切なお手入れと定期的なメンテナンスが欠かせません。毎日のケアと半年に一度の歯科検診を心がけましょう。

入れ歯とインプラント、どちらが自分に合っているのかは、様々な要素を考慮して判断する必要があります。歯科医師との十分な相談の上で、自分に最適な治療法を選択することが重要です。

最後に、入れ歯治療の成功は歯科医院選びから始まります。専門性と経験、治療プロセスと費用の透明性、アフターケアの体制などを確認し、信頼できる歯科医院を選びましょう。

入れ歯に関するお悩みやご質問がございましたら、ぜひくろさき歯科にご相談ください。補綴専門医による専門的な診断と、患者さん一人ひとりに合った入れ歯をご提案いたします。

詳しい情報や無料相談のご予約は、入れ歯 くろさき歯科のウェブサイトをご覧ください。快適な入れ歯で、笑顔あふれる毎日を取り戻しましょう。

院長・監修医師

黒崎 俊一(kurosaki syunichi)

歯学博士/日本補綴歯科学会「専門医」

経歴・資格

  • 1987年(昭和62年) 日本大学歯学部 卒業

  • 1992年(平成4年) 日本大学大学院 歯学部 補綴専攻 修了・歯学博士取得

  • 1996年(平成8年) くろさき歯科 開院(当院開業)

  • 日本補綴歯科学会認定「専門医」/日本歯科審美学会会員/日本矯正歯科学会会員

  • 日本大学歯学部 兼任講師として教育にも従事