入れ歯でしゃべりにくい原因とは？発音しづらさを改善するポイント

入れ歯を使い始めてから「話しにくい」「発音がうまくできない」と感じている方は少なくありません。

新しい入れ歯に慣れるまでの違和感は自然なことですが、原因を正しく理解すれば改善できるケースがほとんどです。

この記事では、入れ歯でしゃべりにくくなる主な原因と、発音しづらさを改善するための具体的なポイントをご紹介します。

入れ歯でしゃべりにくくなる主な原因

入れ歯を装着すると、多くの方が発音のしづらさを経験します。

その背景には、口の中の環境が大きく変わることが関係しています。

口内のスペースの変化

入れ歯を装着すると、今までなかった「モノ」が口の中に入るため、舌が動くスペースが狭くなります。

特に、上顎を広く覆うタイプの入れ歯（義歯床）は、厚みによって舌の動きが制限されがちです。その結果、「カ行」や「ン」などの発音がしにくくなる可能性があります。

これは、発音時に舌が上顎に触れる動きが、入れ歯によって妨げられるために生じる現象です。

人工歯の位置や高さの不適合

発音は、舌や唇が歯に触れて作られます。

入れ歯の人工歯の位置が本来の歯と異なったり、噛み合わせの高さが不適切だったりするのが、滑舌が悪くなる原因です。噛み合わせが高すぎるとすぐに歯同士が当たり、逆に低すぎると舌を動かす空間が不足してしまいます。

特に「サ行」や「タ行」は前歯の微妙な位置関係が重要になるため、影響が出やすいのです。

入れ歯の不安定さ

入れ歯が口にぴったり合わず、会話中に動いたりずれたりするのも、喋りにくさの原因です。

入れ歯が不安定だと、無意識に舌や頬の筋肉で押さえようとするため、余計な力が入ってしまいます。また、歯ぐきと入れ歯の間に隙間があると空気が漏れてしまい、「サ行」などの摩擦音をうまく作れません。

新しい環境への不慣れ

新しい入れ歯を装着すると口の中の環境が大きく変わるため、脳や舌が変化に追いついていない「慣れ」の問題も無視できません。

舌が入れ歯のどこに触れるとどんな音が出るのか、身体がまだ覚えていない状態といえます。これは新しい靴を履いたときに歩きにくく感じるのと同様です。

ほとんどの場合、時間とともに解消されていくため、焦らず積極的に口を動かしましょう。

自宅でできる発音トレーニング

歯科医院での調整も重要ですが、ご自身でできる練習を日々の生活に取り入れると、入れ歯への慣れが早まり、発音の改善も期待できます。

楽しみながら続けるのが改善への近道です。

特定の発音の反復練習

特に発音しにくいと感じる音を重点的に練習しましょう。

多くの方が苦手とするのは「サ行」「タ行」「ラ行」です。これらの音を含む単語や短い文章を、ゆっくり、はっきりと声に出して読んでみてください。

まずは「さしすせそ」「たちつてと」「らりるれろ」と一音ずつ区切って発音します。慣れてきたら単語（例：さかな、たいこ、らっぱ）へとステップアップしましょう。

新聞や本の音読

毎日決まった時間に新聞や好きな本を声に出して読む「音読」は、非常に効果的な練習方法です。

単調な発音練習とは異なり、文章の流れの中で自然に口の筋肉を使えます。自分の声をスマートフォンなどで録音し、後で聞き返してみるのもおすすめです。

客観的に自分の発音を聞くと苦手な音を具体的に把握でき、意識的な改善につながります。

早口言葉や歌でのトレーニング

楽しみながら口の筋肉を鍛える方法として、早口言葉や歌を歌うのも有効です。

早口言葉は、舌や唇を素早く正確に動かす練習になります。「生麦生米生卵」のような簡単なものから挑戦してみましょう。

歌を歌うことも、発音練習と口の筋肉トレーニングを兼ねた効果的な方法です。

歯科医院でできる入れ歯の調整

入れ歯を入れてからしばらくの間は、どうしても違和感を覚えることが多いです。

しばらく使用していれば馴染むことがほとんどですが、お口にきちんと合っていない場合も考えられます。そこで、入れ歯を作ってからしばらくの間は、調整のために何度か通院する必要があります。

痛みがあって発音に支障がでる場合

入れ歯は柔らかい歯ぐきの粘膜に乗せて固定する装置です。

口を動かすことによって入れ歯が動いたり、粘膜が退縮したりすればズレが生じてしまうため、口に入れてみなければ適合するかがわからない部分もあります。

入れ歯が当たって痛みを感じたり、潰瘍ができたりする場合には、当たらないように削って調整します。

厚みのせいで舌が動かせず発音の妨げになる場合

発音の障害となっている部分があれば削って薄くしてもらうこともあります。

しかしあまり薄くしすぎると、今度は強度が足りなくなって破損の原因にもなるので注意が必要です。歯科医師に相談する際は、入れ歯が分厚いことで喋りにくいと感じること、発音がしにくいと感じる特定の言葉などがあれば、その点も共有することを推奨します。

空気が抜けないように入れ歯の形を整える

入れ歯が口内に合っておらず、入れ歯と患者様自身の歯の間に隙間ができていることが原因で喋りにくい場合、入れ歯を空気が抜けないように形を整える必要があります。

具体的には空気が抜けている箇所を特定し、その部分を調整することで発音のしやすさが改善されます。

喋りやすい入れ歯の種類

発音重視で薄い入れ歯を作りたい方におすすめなのが、口内の上部、上顎部分に接する「義歯床」の部分が金属でできている金属床総入れ歯です。

金属床総入れ歯のメリット

「言葉を発音する」という行為には、舌がどれだけスムーズに動くかということが重要です。

上あごの部分である「口蓋」に舌を当てて発音する言葉も多くあります。お口の中はデリケートですから、少し空間の広さが変わるだけで、舌がうまく動かず、発音しにくくなってしまいます。

保険適用の入れ歯の床は、厚みがあるため口内の空間が狭くなり、発音しづらくなりがちです。しかし、金属床総入れ歯であれば床をかなり薄く仕上げることができるため、舌の動きを邪魔しにくく、発音を妨げることはあまりありません。

熱伝導がよく、食事も美味しい

保険適用の入れ歯で使われる「レジン床」は、熱伝導率が悪く、食事の味を感じにくくなることがあります。

金属床総入れ歯は熱伝導率がよく、「熱い」「冷たい」などの食感も感じることができますので、通常のレジン床義歯に比べて食事をより楽しめます。

くろさき歯科の入れ歯治療の特徴

くろさき歯科では、「痛くない・外れにくい・しっかり噛める入れ歯」を追求しています。

30年以上にわたり入れ歯治療に携わってきた補綴の臨床経験が豊富な院長が診療・設計を担当し、埼玉・東京のみならず、関東以外からも多くの患者が来院しています。

50種類以上の入れ歯から選べるオーダーメイド治療

金属床義歯・ノンクラスプデンチャー・シリコン義歯・ミラクルデンチャーなど、50種類以上の入れ歯設計パターンを取り扱っています。

素材・構造・噛み合わせを一人ひとりに最適化することで、「痛くない」「外れない」「よく噛める」入れ歯を提供しています。

治療用入れ歯で噛み合わせを整えてから製作

くろさき歯科では、いきなり本入れ歯を作りません。

まずは治療用入れ歯で噛み合わせや口の筋肉バランスを整え、その後、本入れ歯を作製する2段階方式を採用しています。この工程を踏むことで、入れ歯安定剤に頼らずに済む、ぴったりフィットする入れ歯を実現しています。

噛み合わせに精通した歯科技工士との連携

入れ歯の完成度は、技工士の技術に大きく左右されます。

当院では、20年来の信頼関係を築いた技工所と連携し、噛み合わせを重視した精密な入れ歯を製作。「装着してすぐになじむ」「食事中にズレない」と多くの患者から評価されています。

各分野の臨床経験が豊富な歯科医が連携するチーム医療

虫歯・歯周病・矯正・入れ歯―すべての分野に臨床経験が豊富な歯科医が在籍。

歯を抜く前の診断から、残すための治療、噛み合わせまでをチームでサポートします。臨床経験が豊富な歯科医による精密で安心な入れ歯治療を提供しています。

入れ歯による全身の健康への影響

噛み合わせは、全身のバランスに深く関わっています。

くろさき歯科では、治療前後に姿勢撮影を行い、入れ歯による体のバランス改善を「見える化」しています。肩こりや腰痛、頭痛などの改善を実感される方もいます。

管理栄養士・公認心理士・整体師がチームで連携

国家資格を持つ管理栄養士・公認心理士・整体師がチームで連携。

「食べる・動く・眠る」をトータルで支えることで、お口の健康だけでなく全身の健康づくりをサポートしています。

カウンセラーによる治療サポート

治療中の不安や疑問点は、カウンセラーがサポートいたします。

初めての入れ歯でも安心して治療を進めていただけるよう、一人ひとりのペースに合わせて丁寧にご説明します。

まとめ

入れ歯でしゃべりにくくなる原因は、口内のスペースの変化、人工歯の位置や高さの不適合、入れ歯の不安定さ、新しい環境への不慣れなど、さまざまです。

自宅でできる発音トレーニングや、歯科医院での適切な調整によって、多くの場合、発音のしづらさは改善できます。

くろさき歯科では、30年以上の経験を持つ補綴の臨床経験が豊富な歯科医が、一人ひとりに最適な入れ歯をご提案しています。50種類以上の入れ歯設計パターンから選べるオーダーメイド治療、治療用入れ歯で噛み合わせを整えてから本入れ歯を作製する2段階方式、熟練の歯科技工士との連携など、「痛くない・外れにくい・しっかり噛める入れ歯」を実現するための体制を整えています。

入れ歯は「噛むための道具」ではなく、「人生を楽しむための一部」です。

発音のしづらさでお悩みの方は、ぜひ一度、くろさき歯科にご相談ください。

もう「痛い・合わない・噛めない」と悩まない――南浦和駅からすぐの くろさき歯科

「入れ歯が痛くて使えない」「外れやすくて人と話すのが不安」「見た目が気になって笑えない」そんなお悩みを抱えている方へ。くろさき歯科では、30年以上の経験を持つ入れ歯の臨床経験が豊富な歯科医が、あなたにぴったり合う”快適な入れ歯”づくりをサポートします。

入れ歯は、ただ「失った歯を補うもの」ではなく、食事や会話、笑顔を取り戻すための大切なパートナーです。だからこそ当院では、一人ひとりのお口に合わせて丁寧に時間をかけてお作りしています。

あなたに合う入れ歯がきっと見つかります。ぜひ、くろさき歯科にご相談ください。

院長・監修医師

黒崎 俊一(kurosaki syunichi)

歯学博士／日本補綴歯科学会「専門医」

経歴・資格

• 1987年（昭和62年） 日本大学歯学部 卒業

• 1992年（平成4年） 日本大学大学院 歯学部 補綴専攻 修了・歯学博士取得

• 1996年（平成8年） くろさき歯科 開院（当院開業）

• 日本補綴歯科学会認定「専門医」／日本歯科審美学会会員／日本矯正歯科学会会員

• 日本大学歯学部 兼任講師として教育にも従事