部分入れ歯・義歯はつけっぱなしで大丈夫?

日本補綴(ほてつ)歯科学会では、入れ歯は付けっぱなしではなく、原則として寝るときに外していただくよう指導しています。
入れ歯を入れている部分の歯茎が休まらず、痛みや擦れが起こり炎症を起こしたりする恐れがあるからですね。
食事の後には外してしっかり洗い、寝る時には外して水を入れた容器にしっかり浸かるようにして保管して下さい。
入れ歯が乾燥すると変形や割れが起こり、寿命が一気に来てしまう恐れがあるからです。
毎日でも良いですが、1週間に2回か3回は洗浄剤に浸けておくのも良いでしょう。

一部、付けっぱなしで使用する入れ歯を提供している歯科医院や研究会があったり、欧米などでは付けっぱなしを基本としている国があるなど、寝ている間の対応については多少バラつきがあるようです。
特に部分入れ歯など、外している時間があると残った歯の形状が安定しないことが問題視される場合もあるからです。
日本補綴歯科学会も、噛み合わせの状況によって夜間の装着が必要な場合には担当医に従うこととしています。
入れ歯の場合、例えば一般的なコンタクトレンズのように、付けっぱなしにすると大きな健康被害が出てしまうといったものではありませんし、主治医の専門的な指導があればそうした選択も有り得ます。
口の中の状態は一人ひとりの個人差も大きいですから、基本的にはご自分がかかっている歯科医院の担当主治医の指示に従って下さい。

ただし、いずれにしても食事の後に取り外して念入りに洗浄すること、そしてご自分の口の中も念入りに洗浄することは絶対に守る必要のある行為です。
それもせずに「付けっぱなし」という選択肢は絶対に!有り得ませんから、そこはカン違いの無いようにして下さいね。
どんなにフィットする入れ歯であっても、自分の身体と入れ歯との隙間に食べカスは入りますし、菌も繁殖します。
残念ながら口の中には非常にたくさんの細菌が棲み着いていますから、ご自分の歯や歯茎、その他身体全体の健康を守るためには口腔内の洗浄は必要不可欠なのです。

入れ歯を洗うのが面倒だからインプラントにする、などという選択をする人もいないとは思いますが、インプラントこそ歯周病対策に注意しなければいけないものです。
口の中がどんな状態であれ、洗浄して常に衛生面に注意しておかなければいけないことに変わりはありません。
これは私たちが一生続けなければいけないメンテナンスなのです。
歯磨きが面倒臭くて入れ歯になったという人は、ご自分の怠け癖に注意ですね!