若いのに部分入れ歯?20~40代で増えている理由と治療の選択肢

若い世代でも部分入れ歯が必要になる現実

「まだ若いのに入れ歯なんて・・・」

そう感じている方は、決して少なくありません。入れ歯と聞くと、どうしても高齢者のイメージが強いかもしれませんね。しかし実際には、20代・30代・40代といった若い世代でも、何らかの理由で歯を失い、部分入れ歯を必要とする方が増えているのです。

厚生労働省の調査によれば、20歳から24歳で永久歯を失っている方の割合は2.9%、25歳から29歳では8.1%、35歳から39歳では20.5%にのぼります。割合としては決して多くないものの、若い世代でも歯を失っている方が一定数いらっしゃるという事実があります。

そして、30代以降では部分入れ歯を使用している方も確認されており、決して「特別なこと」ではないのです。

若くして歯を失ってしまう主な原因

若い世代が歯を失う理由は、高齢者とは異なる特徴があります。

最も多いのは、虫歯や歯周病の進行です。仕事や子育てで忙しい世代では、治療のタイミングを逃してしまい、気づいたときには抜歯が必要になっていた・・・というケースが少なくありません。特に虫歯は初期段階では痛みがないため、重症化してから歯科医院を受診される方も多いのです。

また、歯周病も若い世代で増えています。

近年の研究では、35歳以下で発症する「侵襲性歯周炎」という病気も注目されています。この病気は急速に進行し、若くして歯を失う原因となることがあります。広島大学の研究によれば、遺伝的な要因も関係しており、家族で発症するケースもあるとのことです。

さらに、スポーツや交通事故などの外傷によって歯を失うケースもあります。サッカーやラグビーなど接触の多いスポーツ、自転車や自動車の事故により、歯が折れたり抜けたりすることがあるのです。

その他にも、先天的に歯の本数が少ない「先天性欠如」や、過去の矯正治療の影響、噛みしめ・歯ぎしりによる歯の破損なども原因として挙げられます。

部分入れ歯を選ぶメリットとは

歯を失った際の治療法には、部分入れ歯のほかにインプラントやブリッジがあります。

それぞれに長所と短所がありますが、部分入れ歯には若い世代にとって魅力的なメリットがいくつかあります。

費用を抑えられる

インプラントは1本あたり30万~40万円程度、ブリッジは保険適用で1本あたり2万~3万円程度かかります。一方、保険適用の部分入れ歯は5,000~15,000円程度と、大幅に費用を抑えることができます。

もちろん自費診療の部分入れ歯もありますが、それでもインプラントと比べれば経済的な負担は軽くなります。

周囲の歯を削らずに済む

ブリッジは、欠損部の両隣の健康な歯を大きく削る必要があります。せっかくきれいな歯なのに、削ってしまうのはもったいないですよね。部分入れ歯であれば、周囲の歯をほとんど削らずに治療できます。

手術が不要

インプラントは外科手術が必要で、術後のケアにも気を遣わなければなりません。お手入れを間違うと炎症を起こしやすく、次の歯の欠損にもつながる可能性があります。部分入れ歯は大掛かりな手術を必要とせず、比較的気軽に始められる治療法です。

知らないと損する部分入れ歯の最新情報と選択基準

部分入れ歯に関する最新の知識や、選び方の基準をわかりやすく解説します。素材・安定性・費用など、重要なポイントを押さえたい方におすすめの記事です。


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「入れ歯とバレたくない」という不安への対処法

若い世代が部分入れ歯を検討する際、最も気になるのは「見た目」ではないでしょうか。

「周囲に入れ歯だと気づかれたくない」「人前で笑えなくなるのでは」といった不安を抱える方は多くいらっしゃいます。

しかし、最近の部分入れ歯は非常に自然な見た目を実現できるようになっています。保険適用の入れ歯では金属のバネ(クラスプ)が目立つことがありますが、自費診療で選べる「ノンクラスプデンチャー」や「バルプラスト」などは、バネ部分が透明や歯ぐきの色に近いため、装着してもほとんど気づかれません。

実際、芸能人でも入れ歯を使用している方がいらっしゃいます。自ら公表されている方は少ないですが、歯科医師から見て「おそらく総入れ歯だな」と分かる方もテレビで見かけます。それでも、一般の視聴者は気づかないほど自然な仕上がりなのです。

つまり、適切な種類の部分入れ歯を選べば、周囲にバレる心配はほとんどないと言えるでしょう。

目立たない部分入れ歯の種類

自費診療の部分入れ歯には、さまざまな種類があります。

ノンクラスプデンチャーは、金属のバネを使わず、歯ぐきの色に近い樹脂で固定するタイプです。見た目が自然で、笑ったときにも入れ歯だと気づかれにくいのが特徴です。

金属床義歯は、床部分に金属を使用することで薄く仕上げられ、装着感が良好です。熱伝導性が高いため、食事の温度を感じやすく、食べ物をおいしく味わえます。

シリコン義歯は、歯ぐきに接する部分に柔らかいシリコンを使用し、痛みを軽減します。フィット感が良く、外れにくいのが魅力です。

当院では、50種類以上の入れ歯設計パターンの中から、一人ひとりのお口の状態やご希望に合わせて最適な方法をご提案しています。

くろさき歯科の入れ歯治療の特徴

当院では、30年以上にわたり入れ歯治療に携わってきた歯科医師である院長が、診療・設計を担当しています。

「痛くない・外れにくい・しっかり噛める入れ歯」を追求し、埼玉・東京のみならず、関東以外からも多くの患者さまが来院されています。

治療用入れ歯で噛み合わせを整える2段階方式

当院では、いきなり本入れ歯を作りません。

まずは「治療用入れ歯」で噛み合わせや口の筋肉バランスを整え、その後、本入れ歯を作製する2段階方式を採用しています。この工程を踏むことで、入れ歯安定剤に頼らずに済む、ぴったりフィットする入れ歯を実現しています。

各分野が連携するチーム医療

虫歯・歯周病・矯正・入れ歯――すべての分野に臨床経験の多い歯科医師が在籍しています。歯を抜く前の診断から、残すための治療、噛み合わせまでをチームでサポートします。他院に通うことなく、すべての治療を院内で完結できる体制を整えています。

信頼できる技工士との連携

入れ歯の完成度は、技工士の技術に大きく左右されます。当院では、20年来の信頼関係を築いた技工所と連携し、噛み合わせを重視した精密な入れ歯を製作しています。「装着してすぐになじむ」「食事中にズレない」と多くの患者さまから評価をいただいています。

抜歯前から入れ歯を準備できる

抜歯してから入れ歯を作るまで時間が空くと、「歯がない期間」ができてしまいます。当院では、抜歯と並行して入れ歯製作を進行し、お口の機能を損なわずに快適な治療を行うことができます。

全身の健康まで考えた入れ歯治療

噛み合わせは、全身のバランスに深く関わっています。

当院では、治療前後に姿勢撮影を行い、入れ歯による体のバランス改善を「見える化」しています。肩こりや腰痛、頭痛などの改善を実感される方もいらっしゃいます。

さらに、国家資格を持つ管理栄養士・公認心理士・整体師がチームで連携し、「食べる・動く・眠る」をトータルで支えることで、お口の健康だけでなく全身の健康づくりをお手伝いします。

治療中の不安や疑問点は、カウンセラーがサポートいたします。初めての入れ歯でも安心して治療を進めていただけるよう、一人ひとりのペースに合わせて丁寧にご説明します。

歯を失ったまま放置するリスク

「一本くらいなら大丈夫」と考えがちですが、歯を失ったまま放置すると、さまざまなリスクが生じます。

まず、歯並びが悪化します。私たちの歯は、互いに支え合って適切な位置を保っています。一本の歯が抜けると、その周囲の歯はその空いたスペースに向かって少しずつ移動し始めます。結果として、もともと良好だった歯並びが徐々に乱れていくのです。

次に、周囲の歯に過度な負担がかかります。通常はすべての歯で均等に力を分散させていますが、一本の歯が欠けると、その分の負担が周囲の歯に集中することになります。この過度な負担は、周囲の歯の摩耗や損傷を引き起こす可能性があります。

さらに、噛み合わせが悪くなり、食事の際に食べ物を十分に噛み砕くことが難しくなります。これは消化器系に負担をかけるだけでなく、栄養吸収の効率も低下させる可能性があります。また、不適切な噛み合わせは顎関節症の原因となることもあり、顎の痛みや頭痛、耳鳴りなどの症状を引き起こすことがあります。

発音にも影響が出ることがあります。特に前歯を失った場合、特定の音が出しにくくなり、会話に支障をきたすこともあります。

歯を失ったら、できる限り早い治療をおすすめします。

まとめ:若い世代の部分入れ歯は前向きな選択

若い世代で部分入れ歯を必要とすることは、決して恥ずかしいことではありません。

むしろ、自分の口腔健康に責任を持ち、積極的に対処している証と言えるでしょう。最近の部分入れ歯は、見た目も自然で装着感も快適なタイプが増えており、若年層からのニーズも高まっています。

当院では、「入れ歯は噛むための道具ではなく、人生を楽しむための一部」と考えています。30年以上入れ歯治療に携わってきた経験と技術で、痛みがなく、見た目も自然で、しっかり噛める入れ歯をご提供します。

「入れ歯が合わない」「痛くて外したまま」「見た目が気になる」――そんなお悩みを抱えている方は、ぜひ一度ご相談ください。50種類以上の入れ歯パターンの中から、あなたに最適な方法をご提案いたします。

埼玉だけでなく、遠方からお越しになる方にも「くろさき歯科にして良かった」と思っていただける治療を目指しています。

もう「痛い・合わない・噛めない」と悩まない――南浦和駅からすぐの くろさき歯科 で、あなたにぴったり合う快適な入れ歯づくりをサポートします。

院長・監修医師

黒崎 俊一(kurosaki syunichi)

歯学博士/日本補綴歯科学会「専門医」

経歴・資格

  • 1987年(昭和62年) 日本大学歯学部 卒業

  • 1992年(平成4年) 日本大学大学院 歯学部 補綴専攻 修了・歯学博士取得

  • 1996年(平成8年) くろさき歯科 開院(当院開業)

  • 日本補綴歯科学会認定「専門医」/日本歯科審美学会会員/日本矯正歯科学会会員

  • 日本大学歯学部 兼任講師として教育にも従事