部分入れ歯で噛むと痛いのはなぜ?よくある原因と改善できるポイント

  • ホーム
  • ブログ
  • 部分入れ歯で噛むと痛いのはなぜ?よくある原因と改善できるポイント

部分入れ歯で噛むと痛みを感じる方へ

「入れ歯を使うと歯ぐきが痛い」「食事のたびに違和感がある」・・・

こうしたお悩みを抱えている方は少なくありません。部分入れ歯は失った歯を補うための大切な治療ですが、痛みがあると食事も会話も楽しめなくなってしまいます。

痛みを我慢し続けると、お口の中に傷ができたり、噛み合わせがさらに悪化したりする可能性があります。実は、部分入れ歯の痛みには明確な原因があり、適切に対処すれば改善できるケースがほとんどです。

この記事では、30年以上にわたり入れ歯治療に携わってきた経験をもとに、部分入れ歯で噛むと痛い原因と、その改善方法について詳しく解説します。

食事中に部分入れ歯が外れる原因7つと対策|歯科医が教える安定させるコツ

食事中に部分入れ歯が外れてしまう原因を7つに分けて解説し、日常でできる具体的な対策や安定させるコツを歯科医の視点で紹介します。


► 記事を読む

 

部分入れ歯で痛みが生じる主な原因

部分入れ歯を使用していて痛みを感じる場合、いくつかの原因が考えられます。

まずは、どのような理由で痛みが発生するのかを理解することが大切です。

初めての入れ歯にまだ慣れていない

初めて部分入れ歯を使う方は、お口の中に違和感を覚えるのが普通です。

口の中の粘膜は非常に敏感で、入れ歯を異物として認識してしまうため、歯ぐきなどに摩擦が生じて痛みを伴うことがあります。最初はやわらかい食べ物を少量ずつ摂取し、徐々に入れ歯に慣れていく必要があります。

ただし、数週間経っても痛みが続く場合は、単なる慣れの問題ではない可能性があります。早めに歯科医院で調整を受けることをおすすめします。

土台部分やかみ合わせが合っていない

入れ歯の土台部分が歯ぐきにしっかりフィットしていないと、食事や会話の際に痛みを感じます。

入れ歯と歯ぐきの間に隙間ができると、噛む力が特定の部分に集中してしまい、その部分だけが強く圧迫されて痛みが生じるのです。また、時間の経過とともに入れ歯の形状が変わったり、歯ぐきが痩せたりすることで、当初は合っていた入れ歯が徐々に合わなくなることもあります。

噛み合わせのバランスが悪いと、入れ歯が外れやすくなったり、食べ物が挟まりやすくなったりします。

バネ(クラスプ)に問題がある

部分入れ歯には、残っている歯に引っかけるバネ(クラスプ)が付いています。

このバネが強く締め付けすぎていると、装着や取り外しの際に不快感や痛みを感じることがあります。また、歯周病が進行して土台となる歯が弱くなると、バネの影響で歯が動いてしまい、痛みを引き起こす原因になります。

バネの調整は専門的な技術が必要です。自分で広げたり曲げたりすると、入れ歯が破損する恐れがあるため、必ず歯科医師に相談してください。

入れ歯の衛生状態に問題がある

入れ歯を清潔に保てていないと、口内炎や歯周病のリスクが高まります。

入れ歯に汚れが付着したままだと、細菌が繁殖し、歯ぐきに炎症を起こして痛みが生じることがあります。入れ歯は毎日専用のブラシと洗浄剤を使って丁寧に清掃し、外した際は乾燥を避けて水と共に保存容器に保管することが大切です。

衛生管理を怠ると、入れ歯自体の劣化も早まります。

口腔内の状態に問題がある

歯ぐきが薄い方は、骨に入れ歯が直接圧力をかけてしまうため、痛みを感じやすくなります。

また、唾液の分泌が少ない方は、入れ歯の固定力が低下して噛む際に痛みを感じるケースがあります。入れ歯の吸着が不十分な場合、入れ歯と歯ぐきの間に空気が入りやすくなり、入れ歯が外れやすくなって歯ぐきが擦れて痛みが生じるのです。

痛みを感じたときの対処法

部分入れ歯で痛みを感じたら、適切な対処が必要です。

我慢し続けると症状が悪化する可能性があります。

歯科医院で入れ歯を調整してもらう

痛みが続く場合は、まず歯科医院で調整を受けましょう。

新しい入れ歯は最初から完璧に合うわけではなく、お口の中に馴染むまでに時間がかかります。適切に調整することで、快適な装着感を得られるようになります。

長期間使用していると、経年劣化で入れ歯の形状が変わってしまう場合があります。その場合は新しく入れ歯を作り直すことも検討する必要があります。

当院では、治療用入れ歯で噛み合わせを整えてから本入れ歯を作製する2段階方式を採用しています。この工程を踏むことで、入れ歯安定剤に頼らずにぴったりフィットする入れ歯を実現しています。

入れ歯安定剤を一時的に利用する

すぐに歯科医院へ行けない場合は、入れ歯安定剤を応急処置として利用する方法もあります。

入れ歯安定剤を使用すると、入れ歯がグラつかなくなり、食事や会話がしやすくなります。また、入れ歯と歯ぐきの間でクッションの役割を果たすため、噛んだときの痛みが軽減されることがあります。

ただし、安定剤の成分が入れ歯にこびりつき、剥がすのに時間がかかるというデメリットもあります。また、安定剤の影響で口腔内が不衛生になりやすくなるため、あくまで受診するまでの応急処置と考えてください。

入れ歯を正しく清掃・保管する

毎日の適切なケアが、痛みの予防につながります。

入れ歯を外した際は、専用のブラシと洗浄剤を使用して丁寧に清掃しましょう。食後は必ず入れ歯を外して水で洗い流し、食べかすや汚れを取り除くことが大切です。

保管する際は、乾燥を避けて水と共に保存容器に入れてください。入れ歯が乾燥すると変形する恐れがあり、再びフィットさせるのが難しくなります。

痛みを我慢し続けると起こるトラブル

合わない入れ歯を使い続けることは、さまざまなリスクを伴います。

歯ぐきに傷ができて炎症が広がる

痛みを我慢して使い続けると、歯ぐきに傷ができてしまいます。

傷ができると、そこから細菌が侵入して炎症を起こし、さらに痛みが強くなる悪循環に陥ります。炎症が広がると、入れ歯を装着すること自体が困難になり、治療に時間がかかるようになります。

早めに対処すれば、歯ぐきの傷も浅く済み、入れ歯を入れたときの痛みも改善されます。

噛み合わせが悪化して全身に影響が出る

合わない入れ歯を使っていると、噛み合わせがどんどん悪くなっていきます。

噛み合わせのバランスが崩れると、顎の関節に負担がかかり、頭痛や肩こりに悩まされることがあります。さらに、体全体のバランスにも影響を及ぼす可能性があります。

当院では、治療前後に姿勢撮影を行い、入れ歯による体のバランス改善を「見える化」しています。噛み合わせは全身の健康に深く関わっているため、適切な調整が重要です。

残っている歯への負担が増える

部分入れ歯が合わないと、残っている歯に過度な負担がかかります。

バネで支えている歯が弱くなったり、噛む力が特定の歯に集中したりすることで、健康な歯まで失うリスクが高まります。歯周病が進行して土台となる歯が動いてしまうと、さらに痛みが増す原因にもなります。

くろさき歯科の入れ歯治療の特徴

当院では、痛みのない快適な入れ歯を実現するため、さまざまな工夫を行っています。

50種類以上の入れ歯から最適な方法を提案

金属床義歯、ノンクラスプデンチャー、シリコン義歯、ミラクルデンチャーなど、50種類以上の入れ歯設計パターンを取り扱っています。

素材・構造・噛み合わせを一人ひとりに最適化することで、「痛くない」「外れない」「よく噛める」入れ歯をご提案します。患者さまのお口の状態やご希望に合わせて、最も適した入れ歯を選択できます。

治療用入れ歯で噛み合わせを整えてから製作

いきなり本入れ歯を作るのではなく、まず治療用入れ歯で噛み合わせや口の筋肉バランスを整えます。

その後、本入れ歯を作製する2段階方式を採用しているため、入れ歯安定剤に頼らずにぴったりフィットする入れ歯を実現できます。この工程を踏むことで、装着してすぐになじむ入れ歯が完成します。

歯科医によるチーム医療で総合的にサポート

虫歯・歯周病・矯正・入れ歯のすべての分野に臨床経験が豊富な歯科医師が在籍しています。

歯を抜く前の診断から、残すための治療、噛み合わせまでをチームでサポートするため、他院に通うことなく、すべての治療を院内で完結できます。「どの歯を残すか」「どこに支えを置くか」を専門的に判断し、最適な治療計画を立てます。

熟練の技工士との連携で精密な入れ歯を製作

入れ歯の完成度は、技工士の技術に大きく左右されます。

当院では、20年来の信頼関係を築いた技工所と連携し、噛み合わせを重視した精密な入れ歯を製作しています。「装着してすぐになじむ」「食事中にズレない」と多くの患者さまから評価をいただいています。

修理・再調整・リフォーム対応で長く使える

入れ歯を落としてしまったり、顎の形が変わったりしても、修理・再調整・リフォーム対応が可能です。

修理期間中も代替の入れ歯(スペア義歯)を使用できるため、「入れ歯がない期間」がなく、安心してお過ごしいただけます。長く快適に使い続けられるよう、アフターケアも充実しています。

全身の健康まで考えた総合的なアプローチ

噛み合わせは全身のバランスに深く関わっています。

当院では、治療前後に姿勢撮影を行い、入れ歯による体のバランス改善を「見える化」しています。肩こりや腰痛、頭痛などの改善を実感される方もいらっしゃいます。

さらに、国家資格を持つ管理栄養士・公認心理士・整体師がチームで連携し、「食べる・動く・眠る」をトータルで支えることで、お口の健康だけでなく全身の健康づくりをサポートしています。

痛みのない入れ歯で快適な生活を取り戻しましょう

部分入れ歯で噛むと痛いという症状には、必ず原因があります。

初めての入れ歯に慣れていない、土台部分やかみ合わせが合っていない、バネに問題がある、衛生状態が保てていない、口腔内の状態に問題があるなど、さまざまな要因が考えられます。

痛みを我慢し続けると、歯ぐきに傷ができたり、噛み合わせが悪化したりして、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。早めに歯科医院で調整を受けることが、快適な入れ歯生活への第一歩です。

当院では、30年以上の入れ歯治療経験を持つ歯科医師が診療・設計を担当し、50種類以上の入れ歯設計パターンから最適な方法をご提案しています。治療用入れ歯で噛み合わせを整えてから本入れ歯を作製する2段階方式により、痛みがなく、しっかり噛める入れ歯を実現しています。

「入れ歯が痛くて食事が楽しめない」「何度調整しても違和感がなくならない」とお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

入れ歯は、ただ失った歯を補うものではなく、人生を楽しむための大切なパートナーです。

痛みのない快適な入れ歯で、もう一度おいしく食べられる、笑顔になれる毎日を取り戻しましょう。

院長・監修医師

黒崎 俊一(kurosaki syunichi)

歯学博士/日本補綴歯科学会「専門医」

経歴・資格

  • 1987年(昭和62年) 日本大学歯学部 卒業

  • 1992年(平成4年) 日本大学大学院 歯学部 補綴専攻 修了・歯学博士取得

  • 1996年(平成8年) くろさき歯科 開院(当院開業)

  • 日本補綴歯科学会認定「専門医」/日本歯科審美学会会員/日本矯正歯科学会会員

  • 日本大学歯学部 兼任講師として教育にも従事