入れ歯 歯を失う原因には年齢別の違いがある

入れ歯を使うようになる年齢についての関心が高いようですね。
入れ歯はご高齢者だけのツールではなく、若い人でも使っているものですし、あまりにもマイナスのイメージを持つのもまた違うものです。
年齢別に見ると、厚生労働省の平成17年の調査によれば、初めて部分入れ歯を使ったという人の年齢は30歳から34歳では0.8%となっています。
やはり総入れ歯となるともっとご高齢が多くなりますが、40歳から44歳の人でも0.4%の人は総入れ歯を使用していますから、皆無というわけではありません。

主に若い人が入れ歯を使用するようになる原因としては、子どもの頃からの重度の虫歯を放置したことで歯を残すことが出来なくなり、抜歯せざるを得なかったというものが多いようです。
ご高齢者になると、歯周病などの病気によって歯が抜け落ちてしまうという理由も多くなり、歯を失う原因には年齢別の違いがあるようです。
小さな子どもにとって虫歯の治療は怖いものだとは思いますが、放置することのほうがよほど怖いことなのだと、私たち大人がしっかり伝えなければいけないということでしょう。
厳しい言い方になりますが、歯を残す努力を何もせずに、失ってから入れ歯を嫌がっても致し方のないことなのです。

ちなみに、失った歯の両脇に健康な歯が残っていれば、それを支えにして間に人工の歯を架けるブリッジという方法があります。
失った部分に入るのは人工の歯ですが、セメントで固めるために入れ歯という扱いではありません。
片側にしか歯が残っていない場合や、失った歯が多い場合など、ブリッジが難しい場合は部分入れ歯になります。
残った歯にクラスプ(爪・バネ)を引っ掛ける構造なので、それが見えると入れ歯をしていることが分かってしまうので嫌だという方には、ノンクラスプデンチャーなどもお勧めしています。

ほんの一部分に入れるだけでも、入れ歯は異物なので慣れる必要があります。
入れ歯をしっかり使うという技術をマスターしなければいけないわけですね。
うまく使いこなす前に嫌になって外してしまう人もいるようですが、自分の身体を補ってくれるわけですから、是非歯科医師と二人三脚で理想の環境を作り出してくださいね。
入れ歯に年齢は関係ありませんし、生きて行くために必要な機能を得るための有効なツールです。
そして、生まれ持った自前の歯をそれ以上失わないように、残っている歯を大事にメンテナンスするようにしましょう。