ノンクラスプデンチャー


目次

針金不要でしっかり噛める!「ノンクラスプデンチャー」とは?

ノンクラスプデンチャーは、金属の針金を使わないで装着する入れ歯です。
いくつかの種類があり、当院では以下の5種類のノンクラスプデンチャーを扱っています。

・ミラクルデンチャー
・スマイルデンチャー
・スマートデンチャー
・バルブラスト
・ナチュラルデンチャー

入れ歯の針金は、口を開けたときに非常に目立ちます。
「入れ歯であることを知られたくない」と思う方は多く、針金があるだけで笑うのを控えているという方もいらしゃいます。

そんな方におすすめなのが、バネを使わなくても外れにくくて噛みやすいノンクラスプデンチャーです。
ノンクラスプデンチャーのメリット・デメリットを詳しくご紹介しますので、入れ歯選びの参考になさってください。

こんなお悩みありませんか?

  • 金属のバネが気になる
  • 入れ歯だと気づかれたくない
  • バネの締め付け感が嫌だ
  • 噛んだときに痛くない入れ歯にしたい
  • 笑ったときに入れ歯と歯の境目が気になる
  • 柔らかい素材の入れ歯が欲しい

ノンクラスプデンチャーはこんな方におすすめ

保険の入れ歯とノンクラスプデンチャーの違い

ノンクラスプデンチャーは、入れ歯を装着したときに、金属の針金が見えるのが気になる方におすすめです。

保険適用の部分入れ歯には、基本的に金属の「クラスプ」がついています。
クラスプとは、日本語で「針金」「引っかける」という意味があり、その名の通り歯に入れ歯を引っかけるための針金です。

針金は、入れ歯から残っている歯の内側と表側に向かって伸びており、銀色のため目立ちます。
目立つ分ボリュームもあるので、歯にゴツゴツとしたものをつけているという印象や違和感もあります。

一方、ノンクラスプデンチャーは、針金をまったく使用しない入れ歯なので、見た目がきれいです。
針金の代わりに入れ歯の床の形を工夫してあったり、歯茎への吸着性が高い素材を使用して、入れ歯を固定します。

ノンクラスプデンチャーのメリット

ノンクラスプデンチャーは、以下のようなメリットがあります

・金属製の留め具(=クラスプ)がない
・見た目が自然で気づかれにくい
・金属アレルギーの心配がない
・着色・臭いが付きにくい
・どんな部分入れ歯に対しても対応が可能

金属製のクラスプがないことで、見た目だけではなく、金属アレルギーによる問題もクリアできます。
また、保険適用の入れ歯とは違う素材でできていることも、臭いや汚れによる劣化を起こしにくい要因となっています。

金属製の留め具(=クラスプ)がない

ノンクラスプデンチャーはクラスプがないことが最大のメリットです。
また、このことが名前の由来にもなっています。
クラスプがなくても歯に固定できる素材を使用しているので、見た目がとても良いです。

厳密にいうと、歯にかかる力の方向をコントロールするため付ける「レスト」というパーツが金属で作られることがありますが、見えて気になる場合は、白いプラスチックやセラミックで作製することができます。

見た目が自然で気づかれにくい

笑っている女性

クラスプの代わりに使われるのは、歯茎の色に近いピンク色の樹脂なので、自然で目立ちません
イメージとしては、入れ歯の歯茎となる床が、残った歯の歯と歯茎の境目のあたりまで伸びたような形状となります。
樹脂の種類や特徴は、ノンクラスプデンチャーの種類によって異なります。

金属アレルギーの心配が少ない

基本的にはレスト以外のパーツに金属が使われることはないため、金属アレルギーの心配はほとんどありません
さらに万全を期すなら、レストをプラスチックやセラミックに置き換えることで、完全に金属を使わない仕様に設計することもできます。

着色・臭いが付きにくい

ノンクラスプデンチャーの素材は、種類によって異なりますが、基本的には着色や臭いが付きにくい樹脂で作られています。
特にスマイルデンチャーに使われるポリアミド樹脂は、柔らかくて弾力性に優れており、アレルギー反応を起こす残留モノマーもないため身体に優しいです。

どんな歯に対しても対応が可能

前歯が抜けている男性

ノンクラスプデンチャーは、前歯が1本だけになった場合でも作製できます。
通常は部分入れ歯を支えるために、ある程度の本数だけ歯が残っている必要があります。
しかし、ノンクラスプデンチャーならバネを使わずに固定できるので、前歯1本の症例にも適用できるのです。

ノンクラスプデンチャーのデメリット

入れ歯を修理している様子

ノンクラスプデンチャーは、以下のようなデメリットがあります。

・保険が適用されない
・素材自体の寿命が短い
・破損した場合には新しく作り直す必要がある

ノンクラスプデンチャーは樹脂で作られるため、やはり金属と比べると変形やすり減りが起こりやすいです。
そのため、素材の弱さや劣化のしやすさがデメリットとなります。

保険が適用されない

電卓の画像

ノンクラスプデンチャーは保険適用外の素材で作るため、全額自費となります。
見た目の美しさを考えると、ノンクラスプデンチャーの軍配が上がりますが、費用負担を重視するなら、保険適用の入れ歯がおすすめです。

素材自体の寿命が短いタイプもある

ご飯を食べている男性

ノンクラスプデンチャーには、「従来型」「スマイルデンチャー」「バルプラスト」「ウェルデンツ」に使われている新素材の樹脂があり、新素材は寿命が短いです。

新素材のものは、熱や衝撃による変形が起こりやすいため、最大2年で作り直しが必要といわれています。
毎日噛むことで、床の部分が歪んで合わなくなったり、弾性を失って噛んだときに痛くなってきたりしてしまうのです。

破損した場合には新しく作り直すタイプがある

入れ歯を修理している様子

ノンクラスプデンチャーには、「従来型」「スマイルデンチャー」「バルプラスト」「ウェルデンツ」に使われている新素材の樹脂があり、新素材は寿命が短いです。

新素材のものは、熱や衝撃による変形が起こりやすいため、最大2年で作り直しが必要といわれています。
毎日噛むことで、床の部分が歪んで合わなくなったり、弾性を失って噛んだときに痛くなってきたりしてしまうのです。

ポリプロピレンやポリアミド樹脂を一塊にして作るタイプのものは、修理に使うアクリル系常温重合レジンとくっつかない性質があるため、付け足しや接着ができず、壊れた場合は作り直す必要があります。

ノンクラスプデンチャーと保険入れ歯の違い

ノンクラスプデンチャー

費用面

保険適用外のため、約7〜88万円の費用がかかります。

技術面

歯科医師や歯科技工士の経験によって、仕上がりや使い心地に違いが出ます。

素材面

従来型のレジンと新素材のポリアミド樹脂(ナイロン)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリプロピレンの5種類です。

寿命

新素材のものは、2年での交換が必要と言われています。

ほかの入れ歯との違い

最大の違いは、針金がついているかどうかです。
ノンクラスプデンチャーには針金がありません。

保険の入れ歯

費用面

保険適用のため、1床 約1.5万円で作製できます。(保険適用3割負担の場合)

技術面

仕上がりは歯科医師や歯科技工士の技術によって左右されますが、テレスコープ義歯ほど精密なものを作る技術は要求されません。

素材面

レジンというプラスチックでできています。
臭いや汚れがつきやすく、割れやすい傾向があります。

保険の入れ歯とは

部分入れ歯の場合は金属のバネが付いており、残っている歯を横にゆすって引き抜くような力をかける構造です。
残念ながら、保険適用外の入れ歯と比べて劣化が早く、性能としては必要最低限の機能しかありません。

ノンクラスプデンチャーの種類と費用

ミラクルデンチャー 通常の入れ歯は、支えとなる歯の状態が悪いと土台として使えませんでしたが、ミラクルデンチャーは歯周病が進んでいるような状態の悪い歯でも入れ歯をつくることができます。

▼料金
1歯 16.5万円~22万円
2歯以上 22万円~88万円

(税込・保険適用外)
スマイルデンチャー 薄くて割れにくいポリアミド樹脂を使ったノンクラスプデンチャーです。
コバルトクロム、チタンなどの金属床と併用すれば、耐久性を高めることができます。

▼料金
1〜2歯 7.7万円
3〜4歯 11万円
5本以上 22万円

(税込・保険適用外)
スマートデンチャー 床を樹脂か金属から選べるノンクラスプデンチャーです。 もちろん、目立つ金属床は歯の裏側にだけ付くので、目立ちません。
金属床にした場合は、新たに歯を失ったときに、追加の歯を溶接することができます。

▼料金
11万円~44万円

(税込・保険適用外)
バルプラスト スーパーポリアミドという、口の動きにフィットするやわらかな素材で作るノンクラスプデンチャーです。
ノンクラスプデンチャーでありながら、修理や新しい歯の追加ができるのが特徴です。

▼料金
1〜2歯 7.7万円
3〜4歯 11万円
5本以上 22万円

(税込・保険適用外)
ナチュラルデンチャー 噛んだときに適度に沈み込む、ポリアミドを主成分としたノンクラスプデンチャーです。
軽くてやわらかいので、歯茎へのあたりが優しく、舌や唇の動きを妨げません。

▼料金
11万円~44万円
(税込・保険適用外)

よくある質問

治療期間はどれくらいかかりますか?

虫歯や歯周病、噛み合わせの問題がなく、入れ歯を作製し、平均的な通院回数は2〜5回ほどです。
お口の状態や通院間隔によって個人差があります。

バネがないので外れないのか心配です

バネの代わりに歯茎と同じ色の素材で入れ歯を固定する設計なので、基本的に心配はありません。
ただし、変形すると外れてしまうことがあるので、メンテナンスを欠かさないようにしましょう。

耐久性はどれくらいですか?

新素材のノンクラスプデンチャーの寿命は2年なので、保険適用の入れ歯が3〜5年持つのと比べると、耐久性はかなり弱いです。
素材的にも変形しやすく、修理できないものもあるので、作り直しの可能性は多くなります。

破損してしまった場合修理は可能ですか?

ミラクルデンチャー、スマートデンチャー、バルブラストは、修理や入れ歯に歯を追加する処置ができる場合があります。
しかし、それ以外のノンクラスプデンチャーは基本的に修理ができません。

食後は毎回洗浄するべきなのでしょうか?

入れ歯をお口の中に入れていると、食べかすや古くなった粘膜のカスなどが付いて汚れます。
食後は基本的に洗うようにしましょう。外出先などで洗うタイミングがないときは、夜に最低1回、しっかりと洗浄する習慣をつけましょう。

入れ歯の保存方法(手入れの仕方)を教えてください

入れ歯を外したら、歯ブラシで軽く擦って表面のざらつきや食べかすを落とし、洗浄剤に漬けて洗います。
入れ歯の種類によって、乾燥させるタイプと水につけておくタイプがあるので、歯科医師の指示に従いましょう。

使用できる期間はどれくらいですか?

新素材のタイプは、2年が目安です。
そのくらいになると、変形やたわみが起こって外れやすくなったり、入れ歯の艶感がなくなってくることが多いです。

装着したまま寝ることはできますか?

近年では、衛生面を考慮して外すべきという意見と、平衡感覚を保ち、残っている歯を守るために装着したまま寝るべきという2つの意見があります。
患者様によって異なりますので、歯科医師の指示に従ってください。

あなたに合う入れ歯は別にあるかも?

くろさき歯科ではあなたに合う入れ歯を数十種類からご提案いたします。

当院では、入れ歯で噛み合わせを作る際に足の裏を拝見し、全身のバランスまで考慮した入れ歯作りを行っています。
土踏まずがあり、足の裏で踏ん張って立てるかどうかは、噛み合わせに影響を与えます。
そのため、お口の検査とともに足裏専門の先生の診察を行い、両足に均等に力が入るように整えます。

これにより、入れ歯がずれて合わないというトラブルを抑えられる場合があるのです。

当院の入れ歯作りでは、できるだけ作り直しの必要ない入れ歯を作ることを心がけています。
あなたのご希望を叶える入れ歯を、丁寧にオーダーメイドで作製いたしますので、ぜひご相談ください。