入れ歯はつけたまま寝ても大丈夫?歯科医が教える正しい就寝方法と注意点

入れ歯をつけたまま寝ることについて、多くの方が疑問を持っています
「入れ歯は寝るときに外すべき?つけたまま寝ても良い?」
入れ歯を使い始めた方が必ずといってよいほど抱く疑問です。
以前は「寝るときは必ず外す」という指導が一般的でしたが、現在では お口の状態や入れ歯の種類によっては、つけたまま寝た方が良いケースもある と考えられるようになっています。
本記事では、就寝時の入れ歯の扱い方について、専門的な知識に基づきわかりやすく解説します。
入れ歯をつけたまま寝てもよいケースとは
部分入れ歯がしっかり合っている場合
部分入れ歯がぴったり合っており、痛みや違和感がない場合は、つけたまま寝ても問題ありません。
外して寝ると、就寝中の歯ぎしりや噛みしめによって、残っている歯が傾いたり移動してしまい、翌朝入れ歯が合わなくなることがあります。
歯ぎしりの癖がある場合
歯ぎしり・食いしばりがある方は、部分入れ歯をつけたまま寝ることで残存歯への負担を軽減できます。入れ歯が「歯のガード」の役割を果たし、歯の位置が変わってしまうのを防ぎます。
総入れ歯の場合
総入れ歯の方は、つけたまま寝るほうが良い場合が多いです。
外して寝ると以下の問題が起きやすくなります。
- 顎の高さ(咬合高径)が変わり顎関節に負担がかかる
- 唇が口の中に落ち込み、口呼吸になりやすい
- 口呼吸により唾液が気管に入りやすく、誤嚥性肺炎のリスクが高まる
入れ歯をつけたまま寝ることで鼻呼吸が維持され、誤嚥性肺炎の予防にもつながります。
入れ歯をつけたまま寝るための3つの条件
1. 入れ歯がぴったり合っていること
入れ歯に痛み・違和感・外れやすさがある状態で寝るのはNGです。
日中に少しでも「当たる・痛い・擦れる」と感じる場合は、調整や作り直しが必要です。
治療用入れ歯で噛み合わせを整える“2段階方式”を用いることで、本入れ歯のフィット感が大幅に改善されます。
2. 入れ歯が清潔な状態であること

就寝前には、必ず以下のケアが必要です。
- 入れ歯を外して流水下で清掃
- 入れ歯ブラシで磨く
- 洗浄剤に5〜10分浸けて清潔にする
- しっかりすすいでから装着
汚れた入れ歯をつけたまま寝ると、カンジダ菌などが繁殖し、口内炎を起こす原因になります。
3. 口腔内も清潔にできていること
部分入れ歯でバネがかかる歯や、入れ歯と接する歯の面は汚れが溜まりやすい場所です。
歯磨きやフロスで残っている歯ぐき・歯の清掃を丁寧に行う必要があります。
ケア不足は虫歯や歯周病、カンジダ症の発症につながります。
入れ歯を外して寝た方がよいケースもあります
小さな部分入れ歯の場合
1本だけの非常に小さい部分入れ歯は、就寝中に誤って飲み込む危険があるため、外して寝る必要があります。
入れ歯が合っていない場合
痛み・外れやすさ・違和感がある状態で寝るのは危険です。
粘膜を痛めたり、炎症を悪化させるため、必ず歯科医院で調整してください。
口の中に炎症がある場合
口内炎や歯ぐきの腫れがあるときは、入れ歯を装着せずに歯ぐきを休ませる必要があります。
炎症が治るまでは、入れ歯は水または洗浄液に浸けて保管します。
入れ歯の正しい保管方法
水中または洗浄液中で保管
入れ歯は乾燥に弱く、乾燥すると変形やヒビの原因になります。
必ず水または洗浄液に浸して保管しましょう。
温度と衝撃に注意
直射日光・高温の場所・熱湯での洗浄・アルコール消毒は厳禁です。
入れ歯は熱や衝撃に弱いため、適度な湿度と温度を保つ場所で保管してください。
入れ歯と全身の健康の関係
噛み合わせと体のバランス
噛み合わせは、姿勢・首肩の筋肉バランス・全身の安定性に影響を与えます。
入れ歯で噛み合わせが整うと、肩こり・頭痛・腰痛などの改善につながるケースもあります。
誤嚥性肺炎の予防
つけたまま寝ることで鼻呼吸が維持され、誤嚥性肺炎の予防に役立ちます。
特に高齢者にとって重要なポイントです。
栄養状態の改善
よく噛める入れ歯は食事の幅を広げ、消化吸収を助けます。
栄養バランスが整い、体力維持にもつながります。

くろさき歯科の入れ歯治療の特徴
50種類以上の入れ歯から選べるオーダーメイド治療
金属床義歯・ノンクラスプデンチャー・シリコン義歯・ミラクルデンチャーなど、幅広い種類を取り扱い、患者さまの状態に合わせた最適な入れ歯を提案します。
専門分野の歯科医師による総合ケア
虫歯・歯周病・噛み合わせなど、多角的にサポートできる体制が整っており、院内で治療が完結します。
治療用入れ歯を使った2段階方式
噛み合わせを整えた上で本入れ歯を製作することで、より高いフィット感と安定性を実現します。
技工士との密な連携
熟練の歯科技工士と協力し、見た目・精度・噛み合わせにこだわった入れ歯を提供します。
まとめ:あなたに合った就寝方法を見つけましょう
入れ歯をつけたまま寝るべきか、外して寝るべきか──その答えは お口の状態と入れ歯の種類によって変わります。
つけたまま寝るのがおすすめなケース
- 入れ歯がぴったり合っている
- 部分入れ歯で残存歯を守りたい
- 総入れ歯で口呼吸を避けたい
外して寝るべきケース
- 小さな部分入れ歯
- 痛み・違和感がある入れ歯
- 口内炎や炎症があるとき
入れ歯は「噛むための道具」だけでなく、生活の質を支える大切なパートナーです。
快適に使い続けるためにも、気になる症状があれば早めにご相談ください。
院長・監修医師
黒崎 俊一(kurosaki syunichi)

歯学博士/日本補綴歯科学会「専門医」
経歴・資格
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1987年(昭和62年) 日本大学歯学部 卒業
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1992年(平成4年) 日本大学大学院 歯学部 補綴専攻 修了・歯学博士取得
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1996年(平成8年) くろさき歯科 開院(当院開業)
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日本補綴歯科学会認定「専門医」/日本歯科審美学会会員/日本矯正歯科学会会員
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日本大学歯学部 兼任講師として教育にも従事
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