そのまま放置していませんか?入れ歯が必要なサインと初期症状を歯科医が解説

「最近、前より噛みにくい」「歯がぐらつく気がする」──そんな変化を感じながらも、特に痛みがないために放置していませんか。お口のトラブルはゆっくり進行することが多く、はっきりした自覚症状が出る頃には、すでに入れ歯が必要な状態に近づいていることも珍しくありません。
これまで多くの患者さんを診てきた経験から、「もっと早く気づいていれば歯を残せたのに」と悔やむ声を何度も耳にしてきました。この記事では、入れ歯が必要になる“初期サイン”をわかりやすく整理し、見逃さないためのポイントをお伝えします。
見逃してはいけない初期症状とは
入れ歯が必要になる前には、多くの場合、いくつかの“小さな変化”が現れます。以下の症状は特に注意が必要です。
歯ぐきからの出血や腫れ
歯磨きのたびに出血する場合は要注意
歯ぐきから出血する、腫れている──これは歯周病の初期に多く見られるサインです。健康な歯ぐきは薄いピンク色で引き締まっていますが、炎症が進むと赤く腫れ、触れただけで出血しやすくなります。
歯周病は“沈黙の病気”とも呼ばれ、初期は痛みが出ないため見逃されやすいのが特徴です。放置すると歯を支える骨が少しずつ溶けていき、最終的には歯を失う原因となります。
口臭が気になり始めた
以前より強い臭いを感じる場合
口臭が突然強くなったり、家族から指摘されるようになった場合も、口の中の病気が進行している可能性があります。歯周病菌が増えると、特有のガスが発生し、強い口臭の原因となります。歯石が多い場合も菌が増えやすく、口臭が悪化します。
自分では気づきにくい変化だからこそ、早めのチェックが大切です。
食べ物が挟まりやすくなった
歯ぐきが下がってすき間が広がっているサイン
以前より食べ物が歯の間に残りやすくなったと感じたら、歯ぐきが退縮し、すき間が広がっている可能性があります。歯周病が進むと歯ぐきが下がり、歯と歯の間に食べ物が入り込みやすくなります。
虫歯が原因で穴が空いている場合にも同じ症状が出るため、自己判断は禁物です。
歯がぐらつく・動く感覚がある
噛んだときの違和感は深刻なサイン

食事中に「歯が動く」「噛むと痛い」と感じる場合、歯を支える骨が弱っている可能性があります。歯周病が進行すると骨が溶け、歯が支えられなくなり、ぐらつきが発生します。
歯の動揺は、入れ歯が必要になる直前の重要なサインといえるでしょう。
歯が長く見える
歯ぐきの退縮によって根が露出している状態
鏡で見たときに歯が長くなったように見える場合、実際には歯ぐきが下がって根元が見えている状態です。この状態になると冷たいものがしみやすく、虫歯のリスクも高まります。
冷たいもの・甘いものがしみる
虫歯または歯ぐき退縮の可能性
冷たい飲み物、甘いものがしみる場合、虫歯の初期症状であることがあります。また歯ぐきが下がり根元が露出することで知覚過敏が起こる場合もあります。
見た目では判断しにくいため、しみる症状が続く場合は早めに受診することが大切です。
デンタルフロスが引っかかる・切れる
歯と歯の間の虫歯を示すケースも
デンタルフロスが同じ部分で毎回引っかかる、切れるという場合、歯と歯の間が虫歯になり表面がザラついている可能性があります。
詰め物が劣化して隙間ができている場合にも同じことが起こるため、放置せず診察を受けることをおすすめします。
入れ歯が必要になる前にできること
定期的な歯科検診を受ける
歯を失わないための最大のポイントは、トラブルが“進行する前に気づくこと”です。年1回以上の検診で、虫歯や歯周病の初期段階を発見できます。
初期であれば治療が最小限で済み、痛みや通院回数、費用を大幅に抑えられます。
正しいブラッシングとフロスの習慣
歯と歯ぐきの境目を意識して優しく磨くこと、そして歯ブラシが届かない部分はフロスで清掃することが重要です。
毎日の正しいケアが、歯周病と虫歯の両方のリスクを大きく下げます。
生活習慣を見直す

高糖質の食品を控え、食後すぐの歯磨きを習慣づけることは基本です。また喫煙は歯ぐきの血流を悪化させ、歯周病を急速に進行させる原因になります。
ストレス・睡眠不足も免疫力低下につながるため、心身の健康管理もお口の健康に直結します。
くろさき歯科の入れ歯治療のこだわり
一人ひとりに合わせたオーダーメイド治療
もし入れ歯が必要になったとしても、加工技術の進化により、今は自然で快適に使える入れ歯が作れます。くろさき歯科では50種類以上の設計から選ぶことができ、素材・構造・噛み合わせを総合的に調整し、「痛くない・ずれない・よく噛める」入れ歯を提供しています。
治療用入れ歯で噛み合わせを整える二段階方式
本入れ歯の前に治療用入れ歯を使用し、噛み合わせや筋肉のバランスを整えます。
この工程により、本入れ歯がよりフィットし、長期間安定して使える仕上がりとなります。
チーム医療による総合サポート
歯周病・虫歯・噛み合わせ・抜歯など、入れ歯に関わる治療を院内で完結できます。
また管理栄養士・心理士・整体師などの専門スタッフと連携し、食生活・姿勢・心理面までトータルで支える治療体制を整えています。
まとめ:早めの“気づき”が将来の歯を守ります
歯ぐきの出血、口臭、食べ物の挟まり、歯のぐらつき、しみる症状、フロスの引っかかり──これらは入れ歯が必要になる前触れであり、お口からの大切なサインです。
初期の段階で治療すれば、歯を残せる可能性は大きく高まります。
もし入れ歯が必要になった場合でも、あなたに合った自然で快適な入れ歯を作ることができます。
気になる症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
あなたの健康と笑顔を守るために、くろさき歯科がしっかりサポートいたします。
院長・監修医師
黒崎 俊一(kurosaki syunichi)

歯学博士/日本補綴歯科学会「専門医」
経歴・資格
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1987年(昭和62年) 日本大学歯学部 卒業
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1992年(平成4年) 日本大学大学院 歯学部 補綴専攻 修了・歯学博士取得
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1996年(平成8年) くろさき歯科 開院(当院開業)
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日本補綴歯科学会認定「専門医」/日本歯科審美学会会員/日本矯正歯科学会会員
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日本大学歯学部 兼任講師として教育にも従事
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