入れ歯の分割払いと医療費控除〜賢く活用して負担を軽減する方法
入れ歯治療は、失った歯の機能を回復するために重要な治療法ですが、その費用が気になる方も多いでしょう。特に自費診療となる高品質な入れ歯は、治療費が高額になることもあります。
しかし、入れ歯治療の費用負担を軽減する方法として、分割払いや医療費控除という選択肢があることをご存知でしょうか?
本記事では、入れ歯治療における分割払いの活用方法と医療費控除の申請方法について、歯科医師の立場から詳しく解説します。費用面での不安を解消し、ご自身に最適な入れ歯治療を受けていただくための参考になれば幸いです。
入れ歯治療にかかる費用の基本知識
入れ歯治療の費用は、選択する入れ歯の種類によって大きく異なります。まずは基本的な費用構造を理解しておきましょう。
入れ歯には大きく分けて「保険適用の入れ歯」と「保険適用外(自費)の入れ歯」があります。保険適用の入れ歯は費用を抑えられる一方、自費の入れ歯は見た目や機能性に優れているという特徴があります。
保険適用の入れ歯の費用
保険適用の入れ歯は、医療保険制度により使用材料などが決められているため、種類は少なく、価格は比較的安価です。
保険適用の場合、医療費の自己負担割合に応じて価格も変わります。1割負担での部分入れ歯の価格相場は約1,200〜2,500円、総入れ歯では約3,000円となります。3割負担の場合は、部分入れ歯で約3,000〜14,000円、総入れ歯では約15,000円が相場です。
保険適用の入れ歯は短期間(約2週間〜1ヶ月)で作製され、歯として必要な最低限の機能を備えています。ただし、審美性や機能性はあまり高くなく、プラスチック(レジン)製のため劣化しやすく、約1〜2年で作り替えが必要になることもあります。
自費診療(保険適用外)の入れ歯の費用
自費診療の入れ歯は、種類も価格も様々です。歯科医療と技術の発展により、患者さんに合った入れ歯を選ぶことができます。周りの人に入れ歯だと気づかれないほど審美性の高いものや、まるで自分の歯のように食べ物を噛むことができる機能性の高いものがあります。
自費診療の入れ歯の種類と価格相場は以下の通りです:
- ノンクラスプデンチャー:金属のバネを使わない部分入れ歯で、見た目が自然。約10万〜30万円
- シリコン義歯:義歯床の一部がシリコンでできている入れ歯。約10万〜50万円
- 金属床:主要部分を金属で作った入れ歯。約30万〜60万円
- コーヌス・テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯):残っている歯に金属冠をかぶせ、その上に入れ歯をはめ込む仕組み。約50万〜80万円
ただし、保険適用外の入れ歯には制限がないため、歯科医院や入れ歯の種類、患者さんのお口の状態により価格が大きく変わります。
入れ歯の分割払いについて
高品質な入れ歯を希望する場合、費用が高額になることもありますが、一括で支払うことが難しい方のために分割払いという選択肢があります。
クレジットカードによる分割払い
多くの歯科医院では、クレジットカードでの支払いに対応しています。お持ちのクレジットカードの分割払い機能を利用することで、一度に支払う負担を軽減できます。
クレジットカードの分割払いを利用する場合は、カード会社によって分割手数料が発生することがあります。事前にご自身のカード会社の分割払い条件を確認しておくとよいでしょう。
デンタルローンの活用
デンタルローンとは、歯科治療費用を分割で支払うための専用ローンです。歯科医院と提携している信販会社が治療費を立て替え、患者さんは信販会社に分割で返済していく仕組みです。
デンタルローンの特徴として、審査が比較的通りやすい、金利が低めに設定されている、医院によっては無金利キャンペーンを実施しているなどが挙げられます。
くろさき歯科では、10回までの分割払いを無金利で対応しており、分割払い手数料は医院が負担しています。これにより、患者さんの経済的負担を軽減しながら、高品質な入れ歯治療を受けることが可能です。
分割払いを利用する際の注意点
分割払いを検討する際は、以下の点に注意しましょう:
- 返済計画をしっかり立てる
- 金利や手数料の条件を確認する
- 医院によって分割払いの条件が異なるため、事前に確認する
- デンタルローンを利用する場合は、必要書類(身分証明書など)を準備する
分割払いを上手に活用することで、経済的な負担を分散させながら、ご自身に最適な入れ歯治療を受けることができます。
医療費控除の仕組みと活用方法
入れ歯治療にかかった費用は、医療費控除の対象となります。医療費控除を利用することで、所得税の一部が還付され、実質的な治療費負担を軽減できる可能性があります。
医療費控除とは
医療費控除とは、1年間(1月1日から12月31日まで)に支払った医療費が一定額を超えた場合に、確定申告を行うことで税金の一部が還付される制度です。
医療費控除を受けるためには、その年に支払った医療費の合計額から保険金などで補填された金額を差し引いた金額が10万円(所得が200万円未満の場合は所得の5%)を超える必要があります。
入れ歯治療は、保険適用のものだけでなく、自費で行う高品質な入れ歯の治療費も医療費控除の対象となります。
医療費控除の対象となる歯科治療
医療費控除の対象となる歯科治療には、以下のようなものが含まれます:
- 虫歯や歯周病の治療費
- 治療に必要な各種検査費用
- 金歯、銀歯、入れ歯などの補綴物製作にかかる費用
- インプラント治療に関連する費用
- 保険適用外の自由診療による歯科治療費
- 金属床やノンクラスプデンチャーなどの入れ歯の費用
- 歯科医師が処方した薬の購入費
- 通院の際の公共交通機関の交通費
なお、自分の治療が医療費控除の対象に該当するかどうかは、かかりつけの歯科医院にて事前に確認することをおすすめします。
医療費控除の計算方法
医療費控除額の計算方法は以下の通りです:
医療費控除額 = 支払った医療費の総額 – 保険金等で補填された金額 – 10万円(所得が200万円未満の場合は所得の5%)
ただし、医療費控除額の上限は200万円です。
例えば、年間の医療費が50万円で、保険金などの補填がなく、所得が200万円以上の場合、医療費控除額は「50万円 – 10万円 = 40万円」となります。
医療費控除の申請方法と必要書類
医療費控除を受けるためには、確定申告を行う必要があります。ここでは、確定申告の方法と必要な書類について解説します。
確定申告の期間と方法
確定申告の期間は毎年2月16日〜3月15日までです。申告は税務署へ直接提出する方法のほか、郵送やe-Tax(電子申告)で行うことも可能です。
会社員の方でも、医療費控除を受けるためには確定申告が必要です。年末調整では医療費控除は適用されないためです。
必要な書類と準備
医療費控除の確定申告に必要な書類は以下の通りです:
- 確定申告書(第一表・第二表)
- 医療費控除の明細書
- 医療費の領収書(2017年分以降の確定申告では、領収書の提出は不要ですが、5年間保管する必要があります)
- 給与所得者は源泉徴収票
- マイナンバーカードまたは通知カードと身分証明書
- 印鑑
- 還付金を受け取るための銀行口座情報
2017年分の確定申告から、医療費の領収書の提出に代えて「医療費控除の明細書」の提出が必要となりました。明細書には、医療を受けた人の氏名、病院・薬局などの支払先の名称、支払った医療費の額、支払年月日などを記入します。
デンタルローンや分割払いを利用した場合の医療費控除
デンタルローンや分割払いを利用した場合でも、医療費控除を受けることができます。ただし、控除の対象となる年度に注意が必要です。
デンタルローンの場合、患者さんが支払うべき治療費を信販会社が立て替え払いをして、その立替分を患者さんが分割で信販会社に返済していく仕組みです。この場合、信販会社が立て替え払いをした金額が、その立替払いをした年(デンタルローン契約が成立した時)の医療費控除の対象となります。
なお、デンタルローンを利用した場合、患者さんの手元に歯科医の領収書がない場合がありますが、その場合は、医療費控除を受けるときの支出を証明する書類として、デンタルローンの契約書や信販会社の領収書を保存しておく必要があります。
ただし、デンタルローンに係る金利および手数料相当分は医療費控除の対象にはなりません。
入れ歯治療と医療費控除に関するよくある質問
入れ歯治療の費用や医療費控除について、患者さんからよく寄せられる質問にお答えします。
入れ歯の種類によって医療費控除の対象は変わりますか?
保険適用の入れ歯も、保険適用外(自費)の入れ歯も、どちらも医療費控除の対象となります。入れ歯治療は、審美目的ではなく機能回復が目的であるため、医療費控除の対象となる医療費に該当します。
入れ歯の修理費用も医療費控除の対象になりますか?
はい、入れ歯の修理費用も医療費控除の対象となります。入れ歯の調整や修理、再製作にかかる費用も、医療機関に支払った医療費として控除の対象です。
家族の入れ歯治療費も合算できますか?
はい、自分だけでなく、生計を一にする配偶者やその他の親族(両親、子どもなど)のために支払った医療費も合算して医療費控除を受けることができます。家族全員の医療費を合計することで、控除の基準額(10万円)を超える可能性が高まります。
医療費控除はいつまでさかのぼって申請できますか?
医療費控除は、支払いをした年の翌年の確定申告期間に申請します。例えば、2025年に支払った医療費は、2026年の確定申告(2月16日〜3月15日)で申請します。
また、確定申告を行わなかった場合でも、5年間はさかのぼって医療費控除を受けるための還付申告を行うことができます。2025年8月現在であれば、2020年分までさかのぼって申請可能です。
入れ歯治療中に年が変わった場合はどうなりますか?
入れ歯治療が年をまたいで行われる場合、それぞれの年に支払った医療費の額が、各年分の医療費控除の対象となります。領収書の日付が基準となるため、実際に支払いを行った年の医療費として申告します。
くろさき歯科の入れ歯治療について
くろさき歯科は、さいたま市南区南浦和に位置する入れ歯専門の歯科医院です。治療実績80年を誇り、院長の黒崎俊一氏は歯学博士であり、日本補綴学会認定専門医として専門的な知識と技術を持っています。
くろさき歯科の入れ歯治療の特徴
くろさき歯科の入れ歯治療には、以下のような特徴があります:
- 患者さん一人ひとりに合った入れ歯の提案:仮の入れ歯を作製して患者さんの要望を聞きながら本入れ歯の作製に移る方法を採用しています。
- 総合的な治療計画:虫歯や歯周病を含めた総合的な治療計画を立てることができ、担当医師はそれぞれの学会に所属しているため、一つの医院で対応可能です。
- 丁寧な説明:初回相談時間を60分確保し、患者さんの口の状態に合わせた入れ歯の種類や治療方法について、画像や写真を使って各診療台に設置されたモニターで詳しく説明します。
- 体全体を診る治療アプローチ:口の中だけでなく体全体を診る治療を行います。入れ歯作製前に整体で骨格筋のゆがみもチェックします。整体師や臨床心理士も在籍しており、体と心を幅広く考慮した治療計画を立案します。
- 長く使える入れ歯:歯茎が痩せてしまった場合でも中側の歯茎部分に裏打ちをして再使用できるよう対応しています。
費用面でのサポート
くろさき歯科では、患者さんの経済的負担を軽減するために、以下のようなサポートを行っています:
- クレジットカードによる分割払いやデンタルローンに対応
- 10回までの分割払いを無金利で対応(分割払い手数料は医院が負担)
- 医療費控除制度の利用についてのアドバイス
費用面でご不明な点がある場合は、くろさき歯科のスタッフまでお気軽にご相談ください。
まとめ:入れ歯治療の費用負担を賢く軽減するために
入れ歯治療は、失った歯の機能を回復し、生活の質を向上させるために重要な治療です。しかし、特に高品質な入れ歯を選択する場合、費用面での不安を感じる方も多いでしょう。
本記事でご紹介したように、分割払いやデンタルローンの活用、医療費控除の申請など、入れ歯治療の費用負担を軽減するための方法はいくつかあります。これらの制度を賢く活用することで、経済的な負担を抑えながら、ご自身に最適な入れ歯治療を受けることが可能です。
入れ歯治療を検討されている方は、まずは歯科医師に相談し、ご自身のお口の状態に合った入れ歯の種類や治療法、費用について詳しく説明を受けることをおすすめします。また、分割払いや医療費控除の利用についても、歯科医院のスタッフに相談してみてください。
くろさき歯科では、患者さん一人ひとりに合った入れ歯の提案と、費用面でのサポートを行っています。入れ歯に関するお悩みやご質問がありましたら、お気軽にご相談ください。
入れ歯治療に関する詳細な情報や無料相談については、入れ歯 くろさき歯科のウェブサイトをご覧いただくか、お電話でお問い合わせください。
院長・監修医師
黒崎 俊一(kurosaki syunichi)
歯学博士/日本補綴歯科学会「専門医」
経歴・資格
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1987年(昭和62年) 日本大学歯学部 卒業
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1992年(平成4年) 日本大学大学院 歯学部 補綴専攻 修了・歯学博士取得
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1996年(平成8年) くろさき歯科 開院(当院開業)
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日本補綴歯科学会認定「専門医」/日本歯科審美学会会員/日本矯正歯科学会会員
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日本大学歯学部 兼任講師として教育にも従事