初めて入れ歯を使用する人に対して注意点はありますか?
入れ歯は歯を失った場合の対処となる治療ですが、誰でも最初は戸惑います。
取り外しが必要な上、噛む力も天然の歯のようにはいかず、何かを不自由に感じるかもしれません。
ただ、注意点さえ守って使用すれば費用も安くお手軽で便利な治療方法です。
そこで、ここでは初めて入れ歯を使用する人に向けた注意点をお伝えします。
慣れるまで時間がかかる
入れ歯を装着すると、今までとは全く違った違和感があります。
個人差はあるものの最初は発音もしづらく噛みづらく、また外れることも気になってしまうでしょう。
これらの違和感はいずれも慣れで解消できるため、慣れるまで根気よく使用してください。
特に部分入れ歯の場合はこの違和感が我慢できず、それなら歯を失ったままでも良いと考える人がいます。
しかし、歯を失ったままだと隣接する歯が傾いてしまいますし、
違和感があるからと外さずに日常生活で入れ歯を使用する感覚に慣れてください。
天然の歯と同じ感覚で食事できない
これは担当の歯科医から説明があるでしょうが、入れ歯の咬合力は天然の歯のおよそ1/3ほどになります。
このため、天然の歯と同じ感覚で噛むことができず、またくっつくものを食べることもおすすめできません。
食事の好みは人によって違いますから、入れ歯にする場合に食べられないものを確認しておきましょう。
また、入れ歯にした当初は正しく均等に噛むのが難しいと思います。
これは今までの癖が原因で、残っている歯を使って噛む癖になってしまっているからです。
しかし、入れ歯にすることで全体の歯で噛めるようになりますから、均等に正しい噛み方で食事してください。
水の中に保管する
入れ歯を外した後は必ず水の中に保管してください。
と言うのも入れ歯は乾燥状態に弱いためで、乾燥すると入れ歯に歪みなどが起こってしまうのです。
入れ歯が歪めば装着しようにも口内の形と合わなくなり、装着できなくなってしまうでしょう。
また、入れ歯の消毒を目的として熱湯やアルコールにつけようとする人がいますが、
いずれも入れ歯の変形、変質の原因になるため厳禁です。
水の中に保管する時も、その水は毎日交換して清潔な状態にしておきましょう。
自由診療の入れ歯の選択肢もある
「入れ歯=保険診療」のイメージがありますが、実は自由診療の入れ歯も存在します。
自由診療の入れ歯はオーダーメイドのため、保険診療の入れ歯に比べて装着の違和感が小さく、
また入れ歯としての審美性や耐久性も高くなっているのです。
このように、審美性や機能性において自由診療の入れ歯は保険診療の入れ歯より優れていますが、
一方で自由診療の入れ歯は費用が高いデメリットがあります。
治療後に後悔しないよう、入れ歯には自由診療の保険診療の2つのタイプがあることを知っておきましょう。
気になることがあれば歯科医院に行く
入れ歯を装着した時に違和感や痛みがある場合、すぐに歯科医院に行って相談してください。
特に入れ歯を使用した直後は、こうした違和感や痛みの原因が不慣れによるものと判断しがちで、
確かにその可能性はありますが、一方で入れ歯に何らかの問題が起こっている可能性もあるのです。
入れ歯は意外とデリケートですから、体重の大幅な増減によって合わなくなることもあり、
そのため装着において違和感や痛みがあれば歯科医院に行きましょう。
また、入れ歯を自分で修理するのも厳禁で、削るなどの行為は絶対にしてはいけません。
常に清潔にしておく
入れ歯は人工の歯ですから、天然の歯のような丁寧なケアは必要ないと思うかもしれません。
確かに、人工の歯である入れ歯が虫歯になる可能性はないですからね。
しかし、入れ歯は必ず常に清潔にしておく必要があり、不潔な状態だと口臭も起きてしまいます。
さらに、入れ歯が不潔なことが理由で口の中がただれてしまうケースもあり、
部分入れ場の場合は他の天然の歯が虫歯になるなど悪い影響を与えます。
このため、入れ歯はこまめに洗浄して常に清潔と言える状態を維持してください。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、初めて入れ歯を使用する人に向けた注意点についてまとめます。
1. 慣れるまで時間がかかる :装着、噛む、発音、これらは慣れるまでどうしても時間がかかる
2. 天然の歯と同じ感覚で食事できない :天然の歯より咬合力が弱く、若干の食事制限が発生する
3. 水の中に保管する :入れ歯は乾燥状態に弱く、乾燥すると歪みなどが起こってしまう
4. 自由診療の入れ歯の選択肢もある :保険診療のものだけでなく、オーダーメイドの入れ歯も存在する
5. 気になることがあれば歯科医院に行く :入れ歯に問題が起こっていそうな時はすぐ歯科医院に行く
6. 常に清潔にしておく :入れ歯が不潔な状態だと口の中がただれるなどの問題が起こる
これら6つのことから、初めて入れ歯を使用する人に向けた注意点について分かります。
注意点さえ守って正しく使用すれば、入れ歯は便利な治療方法です。
歯を失ったことへの落胆も入れ歯にすることで解消可能であり、
歯科医の説明や注意点を守って正しい使い方をして快適な生活を送ってください。