痩せると入れ歯が合わなくなる?【さいたま市浦和の歯科医師監修】

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年齢を重ねると「歯茎が痩せてくる」というお悩みを持つ方が増えてきます。ある製薬会社が行なったアンケートでは「老化に伴う変化で気になっている所は?」という質問に対して、約4割の方が「歯や歯茎に関係する変化」をあげています。特に「歯茎が痩せて下がってしまった」と答えた方が多く見られました。

歯茎が痩せるのはなぜ?

歯茎が痩せると、歯が長くなったように見えたり、歯の根元が見えるように感じます。これらは、医療の専門用語では「歯肉退縮」と呼ばれる症状です。加齢はもちろん、歯周病、間違った方法での歯磨き、かみ合わせなどでも、歯茎が痩せて見えることがあります。

歯茎が痩せると入れ歯がぐらつく?

入れ歯はその方に合わせて作ります。ですから、歯茎が痩せてしまったら、入れ歯がぐらついたり、うまく噛めなくなるような状況が起こります。これでは、食事を楽しむことができません。一般的には、加齢によって歯茎の位置は、10年間で約2㎜ほど下がります。「たった2㎜」と思うかもしれませんが、歯茎の位置がそれだけ変わってしまうと、入れ歯にも当然影響が出てきます。

入れ歯が合わなくなったら、入れ歯を調整しなければならないでしょう。もし、調整できない程度の大きなずれでしたら、作り替えも検討しなければならないかもしれません。ですから、少しでも違和感を感じたら早めの受診をおすすめいたします。

歯茎が痩せるのを防ごう

歯周病が原因であれば、まずは歯周病を治療することが優先です。噛み合わせが原因であれば、噛み合わせの治療を行います。また、歯磨きの仕方に問題がある場合、正しい歯磨きの仕方を丁寧に指導いたします。

では、加齢によって歯茎が痩せることについてはどうなのでしょうか。やはり改善は難しいのでしょうか。いえ、やはり健康な歯茎になれば、歯茎が痩せるのを遅らせることはできます。それには、歯磨きの習慣を身に付けることと、歯磨きの方法を改善することが必要です。歯を磨いていれば十分、というわけではありません。ブラッシングのときに力を入れ過ぎると、歯のエナメル質がすり減ってしまって、それも歯茎が痩せる原因になってしまいます。正しい方法で行うことが大切なのです。歯を磨くことは、虫歯を防ぐだけではなく、健康な歯茎を保つのにも役立ちます。

また、歯周病予防の効果があるフッ素入りのマウスウォッシュを使うのもおすすめです。歯茎を健康に保って、高齢期の入れ歯問題を解決しましょう。