使わなくなった部分入れ歯の長期保存方法【さいたま市浦和の歯科医師監修】

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入れ歯の長期保存方法を探していらっしゃる方が多いようです。
基本的に入れ歯は毎日付けるもので、保管するとしても夜寝ている間の保管程度かと思われたのですが、ご本人が入院されるなどの状況で、ご自宅で入れ歯を保管される必要があるなど特別なご事情がお有りのようですね。
こうした場合、一番悩まれるのは通常の浸け置き洗い時のように、入れ歯洗浄剤に何日も浸けたままで良いのかどうかという点のようですが、これは入れ歯の不具合につながるリスクが高いのでお勧め出来ません。
入れ歯洗浄剤を使われる場合は、製品のパッケージに表記されている浸け置き時間を守って下さい。

入れ歯の保管ですが、基本は乾燥を避けるために水に入れるか、濡れたガーゼなどにくるんで湿った状態で保存するというのがセオリーとなっています。
ただ、数日であれば確かに保管容器に真水を張って中で保存し、毎日水を交換するといった対処でも対応可能かとは思いますが、もっと長期に渡るようであればこの方法でも入れ歯を傷めるリスクがあります。
入れ歯の材質はとても乾燥に弱いので、水分が無いとヒビ割れなどの自然破損の恐れがありますが、長期間の場合、水の中に入れておいても変形したという事例があるようですから、残念ながら確実な長期保存の方法は無いと言わざるを得ません。
その入れ歯を作った歯科医院に連絡して事情を説明し、相談されるのが良いと思いますが、確実な方法があるわけではないことはご承知おき下さい。

また、入れ歯は使い続けていないと、すぐにご本人にも合わなくなるリスクがあります。
人間の口腔内は常に変化していますから、入れ歯を外した状態で長期間過ごされることで、それまで使っていた入れ歯が合わなくなってしまう可能性が高いのです。
歯は条件によって少しずつでも移動しますし、それを支える顎の骨も徐々に変形します。
入れ歯を外した状態で、日常生活でなんらかの圧力が与えられることにより、例え入れ歯の長期保管がうまく行ったとしても、歯や顎の形が変わって入れ歯が合わなくなるということは十分に考えられます。

もしご本人が長期間入れ歯を使えない状況になるのであれば、その入れ歯は場合によっては作り直しになる可能性があることも認識しておいて下さい。
いずれにしても、再度使用を開始される時には歯科医院に行かれて、あらためてチェックやメンテナンスを受ける必要があります。
合わない入れ歯を無理に使うのはいけませんし、もともと3ヶ月に1回は定期的なメンテナンスを受けるべきものです。