入れ歯の歴史は意外と古い
世界的に見た入れ歯の歴史
歯科医院で抜歯をした場合に入れ歯を使う機会もありますが、どのように入れ歯が発展してきたか歴史を知っている方は少ないですよね。実は、歯をかたどったものについても入れ歯の仲間に含めれば、入れ歯の歴史はとても長くて何と紀元前にまで歴史を遡ることになります。歯を失ってしまうことにより困るのは現代の人だけではなくて、数千年前の人達も同様に困っていたようですね。
入れ歯の歴史のはじまりと考えられているのは、紀元前5世紀頃の古代フェニキアのシドンという町にあった墓から発掘されものです。まだ抜けていない歯を土台にして、金の帯状の板により歯が抜けてしまわないように固定したもので、現在のブリッジに類似している形の入れ歯ですね。このことから数千年前にもむし歯菌や歯周病菌が存在していたようで、入れ歯の歴史と共に長い付き合いがあることに驚かされます。
日本の入れ歯の歴史
一方日本においても現在の入れ歯に類似するものは、かなり昔から使用されていたと言われていて、日本における最古のものは仏姫という願成寺(和歌山市)の尼僧が使っていたものと考えられています。この入れ歯は全てが木で作られている木床義歯で、歯と歯肉の部分が一体になるよう黄楊の木を彫って作られていて、形態だけを考えると現代の入れ歯と遜色が無いものですね。
仏姫は1538年に亡くなっている方と言われているので、平安時代に作られた入れ歯と考えられることから、その時代の日本人の器用さも知ることができますよね。
最近の入れ歯
このような歴史を経て今の入れ歯に近づいてきたのはいつ頃からというと、19世紀以降に欧米ではゴムを使用した入れ歯が使われるようになってくるのです。そこから、ゴム独特の匂いや接合部の粘膜炎症を抑えることができるということで、ドイツでアクリル系樹脂が入れ歯に活用されるようになっていきますね。
さらに技術が進歩することによって、プラスチックを使ったレジン床と呼ばれる入れ歯や、チタンを用いた金属床のものが主流となっていきます。これにより、食事だけではなくて会話もしやすいといった入れ歯が開発されるようになって、今では歯を失っても以前と同じような機能や美しさを保てるようになっていますね。
今後も入れ歯に精通した専門医や歯科技工士などが連携することによって、更に快適性や利便性に優れた入れ歯が現れる可能性も考えられます。くろさき歯科には、最新の歯科治療に精通した専門医が揃っているので、入れ歯に関する悩みなどかあるのなら気軽にご相談くださいね。