入れ歯で吐き気がするのは?

入れ歯を初めて付けられた方の悩みの中に、「吐き気」があります。

これは合わない入れ歯の典型例とも言える症状ですので、入れ歯を作られた歯科医院で再度調整を行って下さい。

おそらくですが、入れ歯の構造で歯茎にあたる部分のサイズが大きすぎることが考えられます。

口の中はとても敏感な場所ですから、ほんの少しの差であっても大きな感覚となってしまいます。

何度調整しても改善されなかったり、満足の行く対応を得られなかったりする場合には、転院も検討されたほうが賢明かもしれません。

ただ、残念ながら総入れ歯に近い場合、どうしても入れ歯の床の部分が大きくなり、のどの奥に近い部分に入れ歯が当たってしまう場合もあります。

口の中の大きさや体質にもよりますので一概には言えませんが、その部分にある程度の面積がないと、どうしても入れ歯が落ちて来てしまう状況のために、やむを得ない形になっている可能性もありますね。

検討が必要ですが、落ちて来るリスクはあっても床を小さくする方法、磁性アタッチメントという固定装置を使って落ちて来ないようにする方法なども合わせて考えたいですね。

残っている歯の本数や状態にもよりますが、あきらめないで歯科医師と一緒に問題を解決して下さい。

入れ歯は、慣れるまではどうしても違和感や不快感を感じてしまうものです。

特に新しい入れ歯を入れてすぐの1週間から2週間ほどの間は、どうしても違和感が先に立って気持ち悪く感じてしまうかもしれません。

吐き気の他の典型的な感覚としては、「入れ歯が口いっぱいに詰まっている感じ(大きすぎる感じ)」、「圧迫されて痛い」、「唾液が出すぎる」などがあります。

身体にとっては入れ歯は異物ですから、慣れるまでは多かれ少なかれこうした感覚は起こってしまいます。

だからこそ、丁寧に時間をかけて、オーダーメイド・スーツのように何度でも細かな調整を行わなければ、本当に「合う」入れ歯は作れないのです。

決して我慢はせずに、担当医と納得の行くまで調整を続けることが大切です。

当院ではまず仮の入れ歯を作って調整を繰り返しますが、不快感を確認しながら細かく調整するには、調整用の入れ歯で念入りな調査が必要だと考えています。

特に、吐き気は反射で起こるものですので、「精神的に克服する」というような話ではありません。
不調を訴えることは、わがままでもなんでもありません。

入れ歯自体をあきらめてしまう前に、あらゆる方法を検討してみることのが正解なのです。