入れ歯が変形してしまったら

定期的なメンテナンスを行っていても、入れ歯が急に合わなくなって来たという場合、もしかしたら入れ歯自体の変形が起こってしまっている可能性もありますね。

人の口腔内は年々変化しますし、歯茎の状態が変われば元の入れ歯が合わなくなることは一般的にあるのですが、あまりにも急激な変化を感じた場合には、入れ歯自体の変化を疑ってみる必要もあるかもしれません。

入れ歯が変形してしまう原因はいくつか考えられますが、強い衝撃を与えたなどといった物理的なことがないのであれば、一番考えられる理由として、乾燥による変形が挙げられます。

入れ歯の歯茎部分にあたるピンク色をした素材には、「レジン」という素材が使われるのですが、この素材は入れ歯を使った時に肌なじみが良いように、とても吸水性が高い性質を持っています。

水分を多く含みやすいということは、同時に水分を失いやすく、乾燥しやすいということでもあります。

口の中に入れている間は唾液があるので湿っているので良いですが、外した後、もしそのまま長時間放置してしまったような場合には、完全に乾燥してしまい、変形したり割れやすい状態になってしまったりする場合もあるので、ケアには気を付ける必要があるのです。

外した時にすぐ洗浄したり磨いたりすることが出来ないような場合でも、とにかく水を張ったコップに入れておくだけで、ひとまず乾燥対策は出来ます。

乾きやすいものだということを頭に入れておいてくださいね。

また、入れ歯の材質によるので一概には言えませんが、熱湯に入れることで変形してしまうものもあります。

反対に、煮沸してもまったく大丈夫なくらい熱に強い素材で作られたものもありますのでなんとも言えませんが、これは入れ歯を作った歯科医に確認してみて下さい。
一般的には、熱湯は避けたほうが無難です。

そして、入れ歯を使った後にしっかり丁寧にブラシで洗うのはとても大事な心がけなのですが、あまりにも硬いブラシを使うと傷ついてしまうこともあります。

まさか入れ歯が変形してしまうほど硬いブラシを使う人はいないとは思いますが、度重なる細かいキズが大きな変形につながってしまう可能性もあります。

キレイにするのは良いことですが、入れ歯が傷んでしまわないよう、扱いはやさしく細やかにしてあげてくださいね。

もし入れ歯がどうにもおかしいなと思ったら、我慢してつけたりせずに、すぐに入れ歯を作った歯科医院に連絡して下さい。