入れ歯が取れるのはなぜ?

「入れ歯が取れるんです。」
そんなお悩みで当院に来られる患者さまもいらっしゃいます。
入れ歯は確かに人工物ではありますが、それを口の中に装着している以上、入れ歯は単なる道具ではなく身体の一部でなくてはいけないものです。
それなのに、普通に生活しているだけで勝手に取れてしまう・・・それは、ご自分の生まれ持った歯がいきなり抜け落ちてしまうのと同じくらいの大問題です。
もちろん、そんなことはあってはいけないことですね。

どうして外れてしまうのかという疑問にお答えするなら、それはもう、「合っていないからですよ」と申し上げるしかないのが事実です。
もしかしたら、昔作ったままの入れ歯を一度も見直ししていないことが原因かもしれませんし、まさかとは思いますが、作った当初からあまり合ってはいなかったものかもしれません。
人間の口の中の状況は大きく変化するものですから、例え作った時には合っていると思っていても、年月が経てばやはりどうしても合わなくはなります。
ただ、きちんと作ったものでない場合、たった数週間、数日使っただけでもう合わないという場合も出て来ます。
口の中はとても柔軟で、入れ歯をしてしばらくの間はなんとか馴染ませようと身体のほうも動くので、結果的に最初は痛くなかった部分に痛みが出て来たり、うまくチカラが入らなくなってしまったりする場合があるのも確かです。
それでも勝手に外れてしまうというのは、おそらく歯茎が痩せたとか、固定している部分が合わなくなってしまったなどの原因が考えられます。
そのままの入れ歯で直せる場合もありますが、2年3年と経っている場合の多くは作り直しになることが多いでしょう。

入れ歯は、作ってしまえば後は放置していても一生使えるというわけではありません。
もちろん何度も何度も作り直さなければいけないと決まったものでもなく、きちんと状況に合わせて手を入れていけば、長く保たせることも出来るものです。
だから、必ず定期的な検査は必要ですし、そうしたメンテナンスをちゃんと行っていれば、突然取れてしまうような不具合も高い確率で減らすことが出来るものです。
どんなに合うと思っている良い入れ歯でも、必ず必要な手順だと覚えておいて下さいね。

また、最初から合わないというような問題が起こらないためには、当院のように仮の入れ歯をちゃんと作って、日常生活で実際に使いながら不具合を直して行くという対応が必要です。
不確定な要素が解消出来ないうちに、本入れ歯を作ってしまうようなことのないようにしたいですね。